本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

第160回芥川賞受賞作、上田岳弘さん著書「ニムロッド」を読みました。

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おはようございます!!あやこです(^^♪

 

今日は芥川賞受賞作、上田岳弘さん著書「ニムロッド」のご紹介です。

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きっかけはNHK

 

私がこの本を手に取ったきっかけは、朝はほとんどテレビを見ないのですが、

たまたま朝ちょっとテレビでも見てみようかなと思った時、

NHKで、芥川賞受賞の上田さんが出演し、この「ニムロッド」について語っていたからです。

 

私はテレビで作家さんを見るとなんだか親近感を勝手に湧いてしまいます。

 

SNSでもやりとりしている人が顔を出していると親近感が湧くのと同じで、

なんとなく、距離が近くなったように感じるんです。

 

これは何かの縁だと思い、早速読みました。

私はたまたま得た本のタイトルとか、テレビで見たとき、縁を感じた時すぐ読むようにしています。

 

普段芥川賞の作家さんの作品って読んだことがなかった私です。

難しそうなイメージがありましたが、本を理解できないのでは、読み手の読解力の問題かなと最近思えてきて、ちょっと難しそうな本が理解できるか試してみようという好奇心もありました。

 

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ネタばれあり、ニムロッドを読んで

 

あらすじ

 

登場人物は主に三人。

 

あのビットコイン創設者の「サトシ・ナカモト」と同じ名前の、

システムエンジニア中本哲史

ビッドコインを採掘する新規事業を任される。

 

そんな中本哲史の元同僚、荷室仁(通称ニムロッド)は鬱をきっかけに、転勤し名古屋に。

ニムロッドは作家を目指していて、中本哲史に「駄目な飛行機コレクション」をメールで送ってくる。

 

田久保紀子は、中本哲史の恋人だ。

離婚歴あり、前の夫との間に子をもうけ、出生前診断にて異常が見つかったため、

堕胎した。

 

結論から言うと、この本は一回読んだだけでは分からない小説だった。

でも、あとから考えるのである。

 

あの意味はどういう意味なんだろう?これを通して何を伝えたかったのだろう?って。

 

この感覚、村上春樹さんの小説と似ているんですよね。

村上春樹さんの小説を読んだことある人なら分かるはず。

あの独特の雰囲気と、たくさんのメタファーと呼ばれる表現。

何かと何かを喩えながらつなげていくあの感じです。

 

今回のこの「ニムロッド」もメタファー探しが始まるのでした。

 

私がこの本を読んで、これがキーワードじゃないかな?と思った箇所は、

以下の4点。

 

・駄目な飛行機

 

・ビッドコイン

 

・高い塔

 

・中本哲史の左目から流れる涙

 

まず駄目な飛行機について。

ニムロッドが度々中本哲史に送ってくる、駄目な飛行機コレクションのメール。

 

駄目な飛行機とは、駄目じゃない飛行機が出来上がる前に出来た飛行機だ。

例えば戦時中に使われた「桜花」という飛行機。

これは操縦者が脱出できない作りになっており、正に「特攻隊」の為の飛行機だ。

そんな「駄目な飛行機」についてニムロッドは言う、

 

P33~

ねえ、中本さん、僕は思うんだけど、駄目な飛行機があったからこそ、駄目じゃない飛行機が今あるんだよね。

でも、もし、駄目な飛行機が造られるまでもなく、駄目じゃない飛行機が造られたとしたら、

彼らは必要なかったということになるのかな?

 

 ところで今の僕たちは駄目な人間なんだろうか?

いつか駄目じゃなくなるんだろうか?

 

人間全体として駄目じゃなくなったとしたら、それまでの人間たちが駄目だったということになるんだろうか?

でも駄目じゃない。完全な人間ってなんだろう?

 

 

この文章はこの本の小説の肝のような気がしました。

 

そして、駄目な飛行機と繋がるのが、

田久保紀子が出生前診断でみつかった胎児の染色体異常、

それによって堕胎した胎児なのでは?と感じました。

 

人は完璧を目指し、駄目な飛行機を作った段階ではそれが目的の飛行機だった。

でも後から考えればそれが「駄目な飛行機」と言うことができる。

 

今現在の私たちも、遠い未来の完璧な人間からすればそれは「駄目な飛行機」と同じになるかもしれない。そんなことを言いたかったんではないだろうか。

 

そして、中本哲史から流れる涙。

これは、誰かの悲しみの象徴のように感じた。

 

高い塔は人間の欲望の高さだと思った。

価値をつけられたビットコインを手に入れた人間の王は、この世に買えないものは存在しない。この高い塔も手に入れた。

全てを手に入れてしまい、手に入れたいものがなくなってしまった時の虚無感。

 

人はどうなってしまうのだろう。

 

お金では物質的なモノを手に入れようと思えればいくらでも手に入れられる。

けれど、お金で買えないモノはそう簡単には手に入れられない。

 

人はどこまでこの高い塔のように、欲しがれば気が済むんだろう。

 

いやー、読んでいる時は、ちょっとこれ読み切れるかな?って投げ出したくなったんですが、(すみません)

最後まで読んで、読書ノートに書くために、さらにもう一度読み返してみると、ん?これはこんなことを言いたいのかな?更にブログに書くために読み返し、

ん??結構深いかも!!!!

 

そんな風に「ジワジワ」ときたのでした。

 

これが芥川賞か!!何だか納得。

文学とはこういうことなのか。

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普段簡単な本ばかり読んでいた私にとっては、珍しくちゃんと考察できた本でした。

この本はビッドコインのことを知っていないと少し難しいかもしれません。

 

以前「お金2.0」という本を読んでいたので、理解できました。

 

この本も新しいお金の価値を知る上で楽しめた本でした。

 

世の中は思っている以上に目まぐるしく変化していますよー!!情報弱者にならないように私はアンテナ張って何でも読むようにしています。

 

多読をしてきたおかげか?読解力が少しは身についてきたように実感します。

 

芥川賞、自分の読解力を知るためにも読む価値ある一冊かもしれません。

 

引用文は上田岳弘さん著書「ニムロッド」講談社より

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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