本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読了】太宰治著書「人間失格」を読みました。

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おはようございます!!あやこです(^^♪

 

一冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。

少々ネタバレありです!!

 

今日ご紹介する本はこちら。

 

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太宰治著書人間失格です。

 

あまりにも有名すぎる作品を読んでみた

 

この本は言わなくて誰もが一度は聞いたこのある作品です。

お恥ずかしい話、太宰治といえば走れメロスを国語の教科書でかじったくらいで、私の人生に無関係のようでした。

 

しかし、時は来て、ご縁があってついに読むことに!!

 

きっかけは先日読んだ、齋藤孝さん著書「読書する人だけがたどり着ける場所」を読んだのがきっかけです。

 

www.genko-library.com

 

 

人生の機微に触れる名著として紹介されていました。

 

太宰治は日本語がとてもうまく、本をあまり読んだことがない人も、引き込まれてしまいます。そして、人間を深く描いています。

太宰の世界に一度はまれば、人間理解が一気に進むと言っても過言ではありません。

 

自殺の直前に書かれた「人間失格」は、太宰文学の総決算とでも言うべき作品。

薄い本ながらもものすごく深い。

 

人間の営みから疎外され、人間に恐れをいだくと同時に、人間を愛し、信じたいと願っている主人公葉蔵の中に自分を見る人は現代人にも多くいます。

普遍的な名作です。

 

 

引用文は齋藤孝さん著書「読書する人だけがだとり着ける場所」SB新書より

 

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デカ文字文庫で読んでみた

 

小説というと字が小さくて読みづらいのでは?と感じる人も多いはず。

デカ文字文庫はそんな悩みを解消してくれます。

 

今回デカ文字文庫版「人間失格」を読んでみたところ、非常に読みやすいでした。

 

実際に読んでみて、古典は難しそうと思っていたイメージを崩してくれました。

なんて読みやすいんだ!!率直な感想がこれでした。

 

一気に物語に引き込まれ、これは物語なのか、それとも太宰自身の話なのか?

頭が混乱するほどでした。

 

まるで自分のことが書かれているのではと錯覚するほど、人間の陰の分部をありありと書かれていました。

読んでいて苦しいでした。

 

P19~

 

人から与えられるものを、どんなに自分の好みに合わなくても、それを拒む事もできませんでした。

イヤな事をイヤと言えず、また、好きな事も、おずおずと盗むように、極めてにがく味わい、そうして言い知れぬ恐怖感にもだえるのでした。

 

つまり、自分には二者択一の力さえなかったのです。これが後年に到り、いよいよ自分の所謂「恥の多い生涯」の、重大な原因ともなる性癖の一つだったように思われます。

 

太宰治著書「人間失格舵社より

 

これには凄く共感で、私も子どもの頃から、「イヤと言えない」性格でした。

断ったら相手との関係が悪くなるかもしれない、気分を悪くさせてしまうかもしれない。

なぜか相手のことばかり考える、いわゆる「いい子」を演じていたように思います。

それは自分なりの生きる手段だったんでしょう。

 

葉蔵のこの「拒否」の欠如こそが生きにくさを生んでいたのでした。

 

なぜこんな風になってしまったんだろうか?

私なりに考えた時、やはり育った環境が一番大きいのではと思いました。

10人くらいの家族で過ごしていた末っ子の葉蔵ですが、下女下男から性的虐待を受けていたそうです。今ならこんな犯罪ゆるされるわけがありません。

 

その犯罪のことでさえ、両親には言えなかった葉蔵。

この箇所だけでも「あぁ辛かっただろうね」私の心は感情移入です。

 

きっと言えない環境だったのでは?と思います。お父さんに気を使って生きているようでした。

きっと大家族故に何かが欠如した部分があったんでしょう。

 

いつも周りに気を使って「違う自分」を演出することによって、親の気をひいていたのかもしれません。心の叫びが感じ取れました。

 

この「違う自分」を演じる癖が後後の生きづらさを生じる原因になったのかもしれません。

 

成人するに連れ、もう泥沼の人生です。

読むにいたたまれないでした。

自分は女とはひょいひょい寝てしまうのに、自分の妻がいざ他の男とそういう中になったのを目撃したとたんだんだんと奈落に落ちていくさま。

薬に頼る姿。 

ちょっと葉蔵しっかりしなさいよ!!そんな風にカツをいれたくなる、現代で言えば「ダメ男」っぷりが凄いんですが、ダメになるにはそれなりの理由や苦悩があるからなんだろうなぁと思いました。

 

現代でも、ニュースを見る限り何てひどいことをするもんだ。

また薬物に手を出して。などなど信じられないニュースが多いですが、

その背景を繙くと何らかの背景が一人一人あるんだろうなと想像できます。

みんな何かしら生きづらさを抱えている。

 

私も私なりに欠如した部分もあるし、陰の分部が少なからずあります。

この人間失格のとことん曝け出された苦悩を読み進めていくと、

1人の主人公と向き合うとちょっと気分が暗くなりましたが、

これがあの太宰治の自殺前の作品かと思うと、少しだけ太宰治という人を理解できたような気がしました。

 

明るくのほほんとした小説ばかり読んできた私にはとにかく衝撃的でしたが、

すっごく面白かったです。読んでよかった!!

ハッピーな人は読まなくていいと思います。

少しばかり苦悩を抱えている人は何かしら共感する部分があるはず。

 

きっとまた何年後かに読むとまた見方が変わるかもしれない。そんな作品でした。

 

とりあえず、私は10代で読まなくてよかった。

益々悩んでしまいそうだから。

今なら、まぁそんな考えに陥ることもあるよね。

と、客観的視点で見れました。

 

もし子どもが読もうとしたら、「やめておけ」「もっと大人になってから読みなさい」

そう勧めてしまいそうな作品でした。

 

10代で読んだらどんな感じだろう。それくらい人生に影響を与えそうな一冊です。

 

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未読の人は生涯に一度、目を通すことをおススメしておきます。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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