本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読了】五木寛之さん著書「大河の一滴」を読みました。人は皆「大河の一滴」そう思うと前向きに生きる希望が見えました。

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おはようございます。

 

1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。

 

今日ご紹介する本はこちら。

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五木寛之さん著書「大河の一滴」です。

 

 

 

 

この本の説明

 

なんとか前向きに生きたいと思う。

しかし、プラス思考はそうは続かない。

 

頑張ることにはもう疲れてしまった。

そういう人びとへむけて、著者は静かに語る。

 

「いまこそ、人生は苦しみと絶望の連続だと、あきらめることからはじめよう」

 

私はこれまでに二度、自殺を考えたことがある。

 

この冒頭から始まる本書は、生きづらさをかかえている人、

そうじゃない人にも、心に染みる一冊だと思う。

 

最近自死のニュースが後を絶たない。

それは、芸能人だけをクローズアップしているにすぎないけれど、

一般人の自死の数を見れば、どれだけ多いことか。

 

この本が刊行されたのは、平成11年。

その時から危惧されていたことが、令和のこの時代でも蔓延し、改善しない。

 

 戦争でも人はたくさん亡くなってしまったけれど、同等に、自ら命を絶つ人の多さにも私たちは感じ取り、悲しい気持ちになってしまう。

 

たまたま読んでいたこの本に、私はちょっと心が救われたのです。

(夫から借りました)

 

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 心に残ったこと

 

P118~

人間は一生、なにもせずに、ぼんやり生きただけでも、

ぼんやり生きたと見えるだけでじつは大変な闘いをしながら生きつづけてきたのだ、

というふうに、ぼくは考えます。

 

 

せっかく生まれたのだから何か成し遂げなければ生まれた意味がない。

そんな成功論が多いけれど、

ただ生きているだけでも本当に色んなことが起こる。

仏教の教えでは、生きているだけで苦である。という表現がある。

 

そう、生まれたら苦の始まりなのだ。

ただ生きているだけでも、どんな人でも、立派に闘っているんだ。

その程度は人それぞれだけれど、

今日も生きた。それだけで花丸だと思う。

 

P297~

ふっと衝動的に自分の命を絶ち、また軽々しく他者の命を奪う――。

私たちは戦争中に勝ると劣らない、死と隣あわせの時代に生きているのです。

 

それを平和と呼べるのか。

ひょっとしたら、私たちは平和という白昼夢のなかにいるだけなのではないか。

 

 

私は日本は平和だと思っていた。

けれど、自死の多さ、そして未遂の多さを見ると、

この国の闇が浮き彫りになる。

日本は平和平和言われているけれど、本当はそうなじゃないのかもしれない。

 

いつでも死と隣り合わせの国なのかも。

そう思わされた。

 

自分の経験

 

私は死にたくなるくらい追い込まれたことはないけれど、生きるのが辛いと感じた経験が人生2度ある。

それは10代の頃だった。

一つは小学校時代、先生から体罰を受けていた時。

一つは高校時代、何故か学校に行けなくなった時。

いじめられたわけでもなく、辛いことがあったわけでもなく、

何故か身体が拒否反応を示す時期があった。

 

今思えばそんなこともあったかと、風化した出来事のように感じるけれど、

当時のあの時は、未来も見えなくて、一日一日が辛かったの覚えている。

 

そして、私は同級生を2人失っている。

自ら命を同級生が2人も絶ってしまったのだ。

島の同級生120人のうち、2人だ。

 

1人は関東に住んでいたので、上京したての頃は、家にも遊びに行ったし、

遠出もいっぱいした。

 

まさかの出来事はいつも隣り合わせなのだ。

 

これからしたいこと

 

人は亡くなってもこの地球の一部として、巡る。

それは「大河の一滴」となって、地球に還元される。

 

そう思うと、いつか訪れるいつかの日を自ら絶つことをしなくていいんじゃないかと心が軽くなった。

 

けれど私は自死する人を責めない。

悲しいのは周りであって、本人はそれくらい苦しんだからだ。

楽にさせられなかった周りが、悲しい、悲しいと自分の気持ちだけ言うのはどうかと思う。

ネット上に溢れる故人を思う気持ちはもちろん分かる。

 

辛いのはあなたじゃないよ。

本人だよ。

そう思うのだ。

 

五木寛之さん、名前はよく拝見していたんだけれど、

初めて作品を読んで、

「わぁ久々に出会えた、人生の師にしたい作家さん」

そう思えるほど、人生の真理についてたくさん語ってくれる人だなと思った。

 

それは長年の知恵というか、戦争を経験をしているのはもちろんのこと、

生きづらさを感じている人だからこそ、滲み出る文章だった。

他の本も読んでみよう。そう思えた。

 

五木寛之さんの本でおススメありましたら教えてくれると嬉しいです。

 

 

以上、五木寛之さん著書「大河の一滴」を読んだ感想でした。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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