こんにちは。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
宇佐見りんさん著「推し、燃ゆ」です!!
「推し、燃ゆ」の本のあらすじ
「推しが炎上した。ファンを殴ったらしい」
逃避でもない依存でもない、推しは私の背骨だ。
アイドル上野真幸を”解釈„することに心血を注ぐあかり。
この本は第164回芥川賞受賞作、
そして2021年本屋大賞ノミネート作品となっています。
芥川賞の本を読むのが実は初めてでして、
この機会に読んでみようと手に取りました。
芥川賞って、堅苦しくて難しそう。
そんな印象でしたが、
今回読んだこの「推し、燃ゆ」はとっても読みやすい1冊でもありましたので、
普段本を読む習慣がない人にも読みやすい本ではないかな?
そう思いました。
本の厚さも薄いので読みやすいと思います。
「推し、燃ゆ」を読んで 心に残った言葉
P15~
大人になんかなりたくないよ。
ネバーランドに行こうよ。
鼻の先に熱が集まった。
あたしのための言葉だと思った。
共鳴した喉が細く鳴る。
目頭にも熱が溜まる。
言葉のかわりに涙があふれた。
重さを背負って大人になることを、
つらいと思っていいのだと、
誰かに強く言われている気がする。
この本を読んでまず感じたことは、一文一文が短いのだ。
少数精鋭の言葉たち、端的に伝える文章。
鋭く、グサグサ心に響くのである。
長い文章を書けばそれはそれで、事細かく描写が伝わる。
その良さももちろんあるけれど、
短いからこそ、分かりやすい。
主人公「あかり」が「推し」に心を惹かれた瞬間の心情が私は心に響いた。
「推し、燃ゆ」を読んだ感想
命の沸々と燃える、迸る、強い生命力が溢れる文章のつまった物語だと思った。
そして、心にずっしり重くのしかかる、
それでも生きようとする主人公の決意が伝わる物語だった。
私もこれほどまでに、誰かを「推し」た経験はない。
けれど、10代の頃私も憧れの存在はいた。
彼らの音楽を眠れない夜に聞き、ラジオ番組テレビ番組を追い、
部屋にポスターを貼り、
雑誌の切り抜きを下敷きに綺麗に挟んだり、
ファンクラブにも入った。
そして、終幕という形の解散?を経ての、東京ドームで見た初めてのライブ。
青春を味わせてもらえた、遠い存在の彼らに生きる希望をもらった。
「推し」の存在というのは、生命力を強化する源でもあるけれど、
その存在がなくなってしまった時の心のダメージは計り知れない。
時に、不幸な知らせの場合後を追ってしまうファンもいる。
正に生と死の隣り合わせの人もいるのだろう。
いずれにしても、そういう存在と出会えることは、生きている中で幸せの一つなのではないのかな?なんて思う。
主人公あかりも「推し」の存在が生きる喜びだったのだと思う。
今現在「推し」が居る人にとっては、骨身に染みて共感する内容だと思うし、
かつて「推し」を応援していた人にも色々と思い出す内容だと思う。
そして、そういう「推し」が居ない人にとっても、
そういう世界を知るきっかけになる1冊なのでは?
そう思いました。
とにもかくにも、これが芥川賞かぁと思った1冊なのでした。
文学って人間の心を奥深く表現してくれるんだなと改めて思うのでした。
以上、宇佐見りんさん著書「推し、燃ゆ」を読んだ感想でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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