本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読書感想】辻村深月さん著書「子どもたちは夜と遊ぶ」を読みました。

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おはようございます。

 

1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。

 

今日ご紹介する本はこちら。

 

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辻村深月さん著書「子どもたちは夜と遊ぶ」です!!

 

 

この本の説明

 

上巻あらすじ

 

大学受験間近の高校三年生が行方不明になった。

家出か事件か。

世間が騒ぐ中、木村浅葱(あさぎ)だけはその真相を知っていた。

 

「『i』」はとてもうまくやった。

さあ、次は俺の番」

 

姿の見えない『i』に会うために、

ゲームを始める浅葱。

 

孤独の闇に支配された子どもたちが招く事件は、

さらなる悲劇を呼んでいく。

 

 

下巻あらすじ

「浅葱、もう少しで会える」

『i』は冷酷に二人のゲームを進めていく。

浅葱や狐塚や月子を傷つけることに苦しみながら、

 

兄との再会のためにまた、

人を殺さなければならない。

 

一方通行の片思いが目覚めさせた殺人鬼『i』の正体が明らかになる。

大人になりきれない彼らを持つ、あまりに残酷な結末とは。

 

辻村さんお得意の長編小説。

今回の内容はかなり重いテーマでした。

 

虐待、殺人、DV、サイコパス、色んなテーマを含んだ内容でした。

苦しい、切ない、やるせない。

 

けれども最後は何だか後味はよかった。

重いのに、

最後に希望の光を与えてくれるのが辻村さん。

 

今回もこの本にどっぷりと浸って寝不足になりながら読みました。

それくらい読みだすと止まらないのが、辻村深月さんの本の魅力なのです。

 

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心に残ったこと

 

P560~(下巻)

「だけどもし、君がいつの日か物凄いピンチを迎えてどうしようもなくなったら、

俺は必ず駆けつける。

世界中のどこにいても必ずだ。

人間には誰でも、大好きで泣かせたくない存在が必要なんだって。

 

 君が生きているというそれだけで、

人生を投げずに、生きることに手を抜かずに済む人間が、

この世の中のどこかにいるんだよ。不幸にならないで」

 

本当に色々なことがあっての、最後のこのセリフが一番ジーンときました。

何を書いてもネタバレになってしまうので、控えます。

 

感想

 

なんて、この世は不平等なんだろうって思います。

生まれた時から平等な世界なんてないです。

理不尽からのスタート。

 

どんな殺人鬼も生まれたての赤ちゃんの頃は汚れていなかった。

どこからその生き方が違ってくるのか。

 

読んでいて苦しかったです。

けれど、現実にぬくぬく生きている私は、

こんなにも残酷な世界を知りません。

 

まるで小説の世界のような、

残酷な環境下で今も生活している子がいると思うと辛い。

 

解説にもありましたが、

この物語の「殺人ゲーム」は隠喩(メタファー)だと。

 

「多くの人の心を傷つけてしまった」

「居場所なんてどこにもない」

「もう取り返しがつかない」

 

 

そんな心を喩えているのかもと。

 

この本に登場するキーワド『i』

 

I 私自身

EYE 傷つけられた左目

愛 その価値を認め、大事に思う心

哀 あわれむ心

i 虚数 存在しない

藍 『        』

 

辻村さんが伝えたかったと。

あなただけじゃないよ。

大丈夫。

そんな希望の光とも受け取れるメッセージが込められた本だったのでした。

 

ただの残酷な小説なんかじゃない。

重いテーマを通して、

大人になりきれない、子どもたちが抱える感情がさらけ出された物語でした。

 

辻村さんの作品は全部読みたい!!

そう思うほど、「はぁ~!やっぱり辻村さん凄いや!!!!」

そう思わされる本でした。

 

次は「ぼくのメジャースプーン」を読みたい。

 

以上、辻村深月さん著書「子どもたちは夜と遊ぶ」を読んだ感想でした。

引用文は全て本書より

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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