本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読書感想】「6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む」拾った日記を通しての運命的出会いが良かったです。

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おはようございます。

 

1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。

 

今日ご紹介する本はこちら。

 

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ジャン=ポール・ディディエローラン著

「6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む」です!!

 

 

 

 

この本の説明

 

「僕は本が大好きです。

でも、起きている時間のほとんどは

本を破壊することに費やしています」

 

パリ郊外の断裁工場で働くギレンは、

本を”死”へ追いやる毎日にジレンマを抱いている。

 

生き延びたページを持ち帰っては翌朝の通勤電車で朗読して

”往生”させるのが日課だが、

 

憂鬱な日々はある朝、

持ち主不明の日記を拾った時から変わり始め・・・。

 

本を断裁するお仕事があるとは驚きです!

あやこ
 

 

 

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 心に残ったこと

 

 P19~

"それ"は、物を砕き、押し潰し、叩き、

切り刻み、引き裂き、溶かし、かき混ぜ、

練り上げ、茹でる。

 

そのために生まれてきた。

だが、ツェアシュトー五〇〇が何をしているのかは、

ジュゼッペがもっとうまく、

一言で表現している。

ジュゼッペは気を紛らわすために安いワインを一日飲み続けていたが、

それでも心の底から湧いてくるツェアシュトー五〇〇への増悪が弱まることはなかった。

 

ギレンの耳には長年のあいだに何度も、

そんなジュゼッペの叫び声が響いた。

「大量虐殺だ!」

 

 

主人公のギレンはもう、15年も本を処理する仕事に携わっているという。

ツェアシュトー五〇〇のことをいつも「それ」と呼ぶギレン。

 

それは名前を呼ぶと「お前を受け入れる」と宣言したことになってしまうからだそうです。

 

本が大好きなギレン。

けれど、一日の大半を本を破壊することに携わっていることへの嫌悪感。

そんな憂鬱な毎日を過ごしているのでした。

 

そんなに嫌なら仕事を辞めたらいいのに、

なんて思いながらも、

 

モノゴトには「作る仕事」もあれば、「終わりを処理する仕事」がある。

ということがあることを示された気分でした。

 

表面上のキラキラした世界はこの世の中にはたくさんあります。

けれど、そのキラキラした世界を綺麗にリセットする仕事があるのです。

 

いつもモノゴトの表ばかりを見ていたせいか、

はっとさせられるのでした。

 

感想

 

電車でいつも本の断片を朗読するギレン。

もし、東京の満員電車でそのような行為を行う人がいたら、どうでしょう。

 

きっと乗客たちは怪訝な顔をすると思うし、

おいおい変な人がいるぞと心の中で思うことでしょう。

 

けれど、この物語では、

皆がこの朗読を心待ちにしているのです。

その様子に最初ビックリしました。

 

ギレンのその行為は、

死にゆく本を天国へ送るためだったのでした。

 

せめて生き残ったこの文章を、昇華させよう。

そんな気持ちで毎日朗読していたのかもしれません。

或いは、大好きな本を破壊している自分への戒めだったのかもしれません。

 

遠い外国の話だからでしょうか。

異国の雰囲気が漂い、

まるで映画を観ているような、

そんな感覚で物語の世界に入り込むことができました。

 

そして、ギレンはある日、

運命的な出会いを果たすのです。

 

電車に落ちていた、データを拾うのです。

そこには、とある女性の日記が綴られていました。

 

誰かに読まれることを前提として書いた日記ではなく、

赤裸々に綴られた、その落とし主の日常の様子。

 

それはギレンの仕事と少し、似ている部分があるからなのでしょうか。

それとも、彼女の取り繕わない文章に心惹かれたのでしょうか。

ギレンは彼女の日記を読むことで、

鬱々とした日々が華やかになるのです。

 

友人の協力により、彼女とついに会えることになるのです・・!

物語の最後はこれから二人はどうなったかは綴られていませんでした。

 

けれど、きっと、二人が出会ったことで、

お互いが違った毎日になったことが想像できます。

 

パリの郊外の風景を想像しながら、

ちょっと異世界へワープ。

そんな気持ちで読める物語でした。

 

いずれにせよ、

物語の力、文章の力は、

人の心を動かすようです。

 

憂鬱な日々もふとした本をきっかけに変わることがあるかもしれませんね。

 

以上、「6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む」を読んだ感想でした!

 

あやこ
 

ジュリーの日記が中々面白かったね!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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