おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
平松洋子さん、姜尚美さん著「遺したい味」です!
この本の説明
東京に暮らす平松洋子さんと、
京都に暮らす姜尚美さんが、
自分のまちの「遺したい味」を教え合う、
往復書簡が綴られた一冊となっています。
東京12軒、
京都12軒、
合計24軒のお店が紹介されており、
いつかこのお店の味を味わってみたい!
そんな気持ちになる一冊になるかと思います。
装丁からして美味しそうなお稲荷さんと海苔巻きですね。
読むだけでお腹の音が聞こえてきそうです。
心に残ったこと
P118~
そもそも江戸時代から、ひとの出入りの多さは並外れていた。
異文化の交流もめざましく、
だからこそ、
海を渡ってやってきて東京に根づき、
時流の変化をくぐり抜けてゆくのは簡単な話ではありません。
東京というまちは、たくさんの人が出入りし、味の掛け算が凄まじい場所だと思うのです。
そんな海を渡って根づかせる味があることって感慨深いものです。
P124~
「高級なお店って、つくろうと思ったら誰でもつくれちゃうと思うんです。
でも、歴史の深い店は、すぐには絶対つくれない。
みんな高級の方を向きたがるけれど、
うちは飾り気がなくて、ボロだけど味がよくて、
歴史を感じる店になりたい。
それにね、建て替えちゃったらお客さん、
”新しくなったら値段が高くなった”
”味が変わってだめになった”ってかならず言うんだよね(笑)」
歴史のあるお店は、一朝一夕ではつくれない、つくづく思いました。
P197~
原点に戻る。このまちの口癖です。
「東京の味」は前を向いている、
と平松さんは書いていらっしゃいました。
それにならうと、「京都の味」はうしろを見ている、かもしれません。
ものの始まりを忘れていないか。
奇抜でないか。
暮らしになじんでいるか。
京都の味は、常にそれを確認しているところがあります。
それによって生まれる、ある種の変容の遅さを、私はいやだと思いません。
店に行けば同じ味が用意されていて、
いつでも分けてもらえる。
まちのどこかに何があり、
どんな味かわかっている。
だから、安心して暮らせるのです。
「変わらない」ことは凄く難しい。
けれども「安心感」を与えてくれることは間違いないですね。
感想
どのお店もお二人の愛情が感じられ、そして、その店の心意気も素敵でした。
長年続く味というのは、
お店の気持ちと、また食べたいと足を運ぶ双方の気持ちなしでは、
存続はありえないと思うのです。
何百年、何十年と、続けることの難しさ。
時代の流れや、運、タイミングもあります。
そんな中、今遺されている味。
これから遺る味。
生きている間にどんなおいしい食と出会えるんだろう。
本の世界と同じで、食の世界も視点を広げたら、
大海原のようです。
せっかく東京というまちに住んでいるので、
このまちに住む間は、受け継がれた味を堪能する機会を作りたい。
そう思いました。
「遺したい味」が思い浮かぶ人はきっと幸せな人だと思います。
そんなお店がありましたら、共有していただけると嬉しいです^^
以上、平松洋子さん姜尚美さん著「遺したい味」を読んだ感想でした!
★過去に読んだ平松さん作品★
食べものの装丁は幸せが詰まっていますよね。
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