おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
本の説明
今回の館は、黒猫の風見鶏が特徴の黒猫館。
火災で負傷を負い、
記憶を失った老人・鮎田冬馬の手記を元に、
依頼を受けた鹿谷門美と江南孝明は、
東京から札幌、そして阿寒へと向かう。
深い森の中に建つその館で待ち受ける、真実とは一体・・。
感想
今回は鮎田冬馬の手記を元に物語が進みます。
鮮明に描かれる手記を元に、鹿谷と江南は、
真相を突き止められるのか。
度重なる違和感はあったものの、
思いもよらぬ結末が待っていました。
そんなことは、この凡人にはさすがに推理できませんよ~!綾辻先生。
そう言いたくなる結末でした。
何十にも手の込んだ真相が織り込まれていました。
今回も一気読みの一冊でしたよ。
それにしても、中村青司の建てる館は手の込んだ建物ばかりですね。
今回の黒猫館も絶対行きたくない感じの雰囲気が漂っていました。
ネタバレ感想
ここからはネタバレの感想となりますので、真相を知りたくない人はそっとブログを閉じてくださいね。
どの順番から話しましょうか。笑
まずは、鮎田冬馬と天羽辰也が同一人物であったということ。
これには合点がつきました。
私が最初に違和感を覚えたのが、
鮎田が、風間達を迎えて、初めての夕食後に胃がもたれた記述があります。
P55~
楽になるよう、身体の左側を下にして横になると、
サロンから伝わって来る若者達の声から気を逸しながら瞼を閉じた。
あれ?
普通は胃がもたれた時は右側を向くはずなのに何でだろう?
そんな風に思いました。
違和感は覚えたものの、この人はそういう人なのかぁと思う程度でした。
でもこの違和感は間違っていなかったんですね。
天羽辰也は内臓の向きが逆の体質だったのです。
そういう体質の人がいることを知りませんでした。
P115~
見知らぬ生き物が蠢く異世界を覗き見ている。
そんな感覚にさえ囚われ、
私は思わず左手で胸を押さえた。
心臓が左にあるなら右手で普通押さえますよね。
鹿谷の推理力にアッパレです。
こんな風に要所要所にヒントが散りばめられていたんだ。
読んでいての違和感は正しい!!
今後の読書の為に肝に銘じておきます。
天羽辰也は自分のことを鏡の世界の住人と表現する彼は、
特殊な構造を持ち合わせた人だったのです。
そして中村青司が、天羽のことを「どじすん」と言っていた。
これは不思議の国のアリスの作者の本名。
チャールズ・ラトウィッジ・ドジスン
その作者はなんとロリコンだったそうなんです。
え?本当ですか?
それは知らなかった!!
そこから天羽もロリコンだったのではと紐解く鹿谷。
行方不明になった、妹の娘、理沙子。
そして少女の白骨死体が見つかったことも合点がつきます。
どうもこの館シリーズには、この手の犯人が多いんですよね・・(;・∀・)
妹の娘、理沙子と二人で静かに暮らすために、
館を二つ建てていたのです!!
嫌~気持ち悪いですね。。
妹さんは理沙子を産んですぐ亡くなってしまったんですよ。
可哀想に。おじさんがそういう趣味だと犠牲になりますよね。
北海道の阿寒と、鏡にすると対極にあるタスマニアに建てたのが黒猫館だったのです。
「アリス」にちなんで、白と黒の二つの洋館が建てられたのです。
私はすっかり物語は夏の北海道だとばかり思い込んでいたら全然違っていたなんて!!
この本の面白いところは、記憶を亡くしてしまった鮎田が、
迷路館の殺人を読んで、鹿谷に依頼をすること。
依頼した相手が幸か不幸か中村青司に縁深い鹿谷。
手記だけで真相を推理するのも面白いポイントです。
読者はすっかり日本で起きた黒猫館だと思い込まされたと思います。
よーく読み解くと日本じゃない違和感が散りばめられているんですよね。
今回もすっかり騙されましたね。
もうね、手が込み過ぎです!!!笑
色々なしかけが少しずつあって、面白かったです。
ということで、今回も楽しく読まさせもらいました。
次は暗黒館の殺人を読みたいと思います。
★過去に読んだ館シリーズはこちら★
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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