おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
黒住光さん著「花束みたいな恋をした」です!!
2021年映画公開時、
話題になっていた「花束みたいな恋をした」
素敵なタイトルだなぁと思った記憶があります。
当時映画観たい!本読みたい!!と、思いながらも、
どちらも叶わず、
時を経て2年。
ようやく読むタイミングが巡ってきました!
この本のあらすじ
舞台は東京、明大駅前で終電を逃したことをきっかけに出会った、
麦と絹。
二人は居酒屋に行き、お互いの事を語り合います。
今読んでいる本、映画のこと、演劇のこと。
お互いお揃いの白いコンバース。
共通点の多かった二人は、
自然な流れで付き合うことに。
同棲、就活と、いつも一緒にいた20代の5年間が描かれたラブストーリーとなっています。
感想
お互い好きなことが似ていることから、
意気投合し、一気に恋に落ちた麦と絹。
ずっと続くと思っていた二人の関係は、
社会に出ることによって変化していきます。
麦はイラストを描いていましたが、
しっかり働かなくてはと思い、
就職します。
就職先は、17時には帰れるはずだったのに、
帰れないブラック企業。
麦は仕事に慣れるのに精いっぱいで、
忙しい日々を過ごすうちに、
イラストも描かなくなっていくのです。
二人で一緒に本を読んで涙を流したこと。
一緒に映画を観に行ったことが、
遠い昔のよう。
麦は社会に適応するために、
好きなことから離れていくのでした。
一方麦は、好きな漫画を読んだりと、
昔と変わらず好きなことを楽しんでいる様子。
P153~
「ゴールデンカムイだって七巻で止まったまんまだし。
宝石の国の話だっておぼえてないし。
いまだに読んでいる絹ちゃんが羨んしいもん」
「読めばいいじゃん、息抜きぐらいすればいいじゃん」
「息抜きにならないんだよ。頭入んないんだよ。
パズドラしかやる気しないの」
二人の間に溝ができていくのです。
好きなことをして何が悪いのか。
二人で暮らしているのも好きだからじゃなかったのか。
「好きで一緒にいるのに、
何でお金ばっかりになるんだろうって」
ずっと一緒にいたいから、そのためにやりたくない仕事で疲弊する麦。
やりたくないことはしたくない。
ちゃんと楽しく生きたい絹。
すれ違う二人の感情が描かれているシーンに、
もっとうまい方法ないかなぁとこちらも気持ちがシュンとするのでした。
学生の頃って、言わばぬるま湯のような状態で、
お互いのことだけを考えていれば良かったと思うのです。
それが、歳がとか、
結婚とか。
世間体がとか。
そういうことを意識しだすと、
とたんに、「責任」を感じてしまう。
だからこそ、社会に適応しなくてはと、
麦がちょっと頑張りすぎたんじゃないかなと思うのでした。
お揃いだった靴が、いつしか違う靴に変化したりと。
時の流れや変化を描くのがうまいなと思いました。
恋は花のように、華やかに芳醇で、
でも、その華やかさは永遠じゃない。
恋愛と花を対峙しながら、
描かれる様子が、
誰の心にも通り過ぎた、
若い頃の恋愛を、
閉まっていた思い出を掘り起こすかのような本だなと思うのでした。
P182~
あの若い二人は今咲いている花だ。
花はいつか枯れる。
だけど枯れてしまっても、そこに美しい花が咲いていたことは忘れない。
お互い今日別れを告げることを決心して、立ち寄ったファミレスで、
麦はやっぱり別れないで、結婚しようよと言います。
こういう時、男性の方がちょっと女々しいですよね。
今日絹に別れようって言うって友達に言っていたよね!?
と、ツッコミ入れたくなりました。
絹の気持ちも揺れ、
家族になるのならうまくいくかもしれないと思ったタイミングで!!
かつての自分たちのような初々しい二人が偶然お店に入ってくるのです。
その二人の会話を聞いているうちに、
走馬灯のようにあの頃を思い出す麦と絹。
涙が止まらない二人。
自分たちは花束のような恋をした。
二人の気持ちは枯れたけれど、
二人で過ごした時間はずっと心の中に残る。
そう思ったんですかね。
それから二人は別れるんです。
こんな風に別に別れなくてもいいじゃないの?
と、思いながら別れず結婚する二人もいれば、
このままずるずる付き合ってたらお互いの為によくないと思い、
麦と絹のように別れるカップルもいます。
恋愛の難しさ、もどかしさがヒシヒシと伝わる物語でした。
私はそんな日々を通り過ぎて、結婚もしたからこそ、
冷静に物語として楽しめるんだなと思うのでした。
でも、何だか気持ちの中で「うわぁーー」とか、
そういう感情が渦巻く本でしたね。語彙力のなさよ。。
そうそう、ちなみに最後のシーンで、
静岡に二人で旅行した時に、
食べられなかった「さわやかのハンバーグ」
実は俺食べたんだよねという麦の告白に、
私も!と答えた絹。
麦が同僚と食べたのは、描かれていたので知っていましたが、
絹はいったい誰と食べたんでしょうか?
そして、
「正直さ、一回くらい浮気したことあったでしょ?」
と、質問する絹。
「浮気?え、あるの?」
「普通にないけど」
と麦が答えると、
麦は「ふーん」と含み笑いしたシーン。
絹は浮気してたんですかね??
ん??
女性側の隠された心理や、女心が描かれていなくて、
読者にちょっとした謎を残す終わり方でした。
プロローグとエピローグの繋がりがまた良い!!
ちょっと切ない、でも、
うん、こんな恋愛もありだよね。
そう思える後味の良さでした。
映画はまだ観ていませんが、
予告編とか、YouTubeってチラッと観ましたが、
色々と考察もできる映画だなと思いました。
読むと過去の恋愛を思い出す。
そんな本だと思います。
花束みたいな恋をできるって、凄く幸せなこと。
その思い出を胸に今後も生きていけると思うのでした。
恋愛小説を読みたい人におススメの一冊です!
いくつになってもやっぱりいいですね。
ココロが少し若返りました。
以上、「花束みたいな恋をした」を読んだ感想でした!
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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