おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
寺地はるなさん著「カレーの時間」です!!
この本の説明と感想
温かい物語を紡ぐことの多い作家さんの一人。
寺地はるなさん。
そんな寺地さん作品「カレーの時間」
タイトルからおいしそうな匂いがしそうじゃないですか?
この物語は、
戦時中の飢えを経験した祖父と、
現代を生きる僕。
二人の視点で物語が進みます。
おじいちゃんは、
食べるものがなかった時代。
お腹が空いて空いて辛い時に、
ある一人の人にもらった缶詰の食べ物に救われました。
その男の人と交わした約束。
お前が大人になった時に、
どこかで腹を空かした子どもに会ったら、
飯を食わしてやれ、と。
「そいつを腹いっぱいにしてやれ。約束だ。」
その言葉を胸に、九州を出て、
カレー食品会社に就職し、
カレー一筋の仕事につきます。
そんなおじいちゃんは妻と離婚し、
男手一つで三人の娘を育てるも、
娘たちからは煙たがられる存在。
九州男児の我が道をいくおじいちゃんに、
孫たちも嫌がるほど。
そんな中、おじいちゃんも歳をとり、
心配だからと、
おばさん3人から、
一緒に住んでくれないか?
と懇願される僕。
おじいちゃんが、
待ち望んで生まれた男の子。
それが僕なのでした。
他の従姉妹達は全員女。
一緒に同居するという、
そんな嫌な役目を背負ってしまった僕と、
おじいちゃんとの生活が始まるのでした。
嚙み合わない二人はいつも喧嘩。
僕は嫌気がさしてくるけれど、
二人で過ごすうちに、
段々とお互いのことを理解し始めていくのです。
じっくり煮込むことで理解できること。
カレーが繋ぐ二人の物語です。
おじいちゃんは空気が読めない頑固じじいと言ったところでしょうか。
空気が読めず、平気で相手が傷つくことを言うし、
はっきりモノを言います。
一方僕は大人しい。
おじいちゃんが望む「男像」とは正反対。
そんな正反対な二人だからこそ、
たくさんぶつかり合います。
けれども一緒に過ごすことで、
僕は、
忘れかけていた、おじいちゃんの愛情を思い出したり、
誤解していたことを知ったり。
お互いに理解していく過程に、
ラストはホロリと涙が零れました。
書影のドライカレーがおいしそうですよね。
作中にもたくさんカレーの描写があって、
カレーが食べたくなる物語です。
誰かと過ごして食べた記憶はずっと残り続けます。
そんな食べ物の記憶を私も作れたらいいなと思うのでした。
P296~
誰かとあんな時間を過ごすことは、
二度とない。
それがいいとか悪いとかそういうことではなく、
なつかしいとか、
戻りたいとか、
そういうことでもなく、
ただ祖父以外の誰とも無理なのだということだけが、
はっきりとわかる。
記憶に残る食べ物の時間皆さんにはありますか?
ほっこりしたい人におすすめの本です。
以上、寺地はるなさん著「カレーの時間」の感想でした!
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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