おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
一穂ミチさん著「恋とか愛とかやさしさなら」です!
本屋大賞2025ノミネート作品です!
この本のあらすじ
主人公カメラマン新夏。
恋人の啓久と付き合って5年。
そんな啓久からプロポーズをされた。
幸せの絶頂の中、
翌日、啓久の母親から連絡が。
なんと、啓久が盗撮で捕まったと。
昨日と今日では世界がまるで分断されたかなのように、
新夏の葛藤が始まる。
啓久はただの出来心で盗撮したという。
恋人の盗撮をきっかけに、
周囲の人を巻き込みながら、
この問題について向き合う。
二人が選んだ結末とは・・?
感想
一穂ミチさんの本を読むのはこれで2回目です。
前回は、短編小説でしたが、
今回は一冊の物語として堪能することができました。
プロポーズをされた翌日に恋人が盗撮をしてしまうという、
なんとも難しい問題。
自分だったらどうするだろうか?
終始そんなことを思いながら読みました。
こういうセンシティブな問題は、
露呈していないだけで、
世間にはある問題だよなと思いました。
それぞれに苦しみが付きまとうし、
その周囲の人も悩みます。
いざ、当事者になってみないと分からない問題だなとも思ったし、
実際そのことで、
苦しんでいる人たちがたくさんいるんだろうなと容易に想像ができました。
一穂ミチさん、
何とも言えないこの問題を、
文学的にも伝えるのが凄く上手な作家さんなので、
スルスルと読めました。
二人の出した答えに、
私は納得でした。
今までの生活が一変することって、
盗撮だけじゃなくてもこの世にはたくさん溢れています。
いつ、何時自分がそのような状況に陥るかは誰にも分かりません。
けれど、このような物語を通して、
「もしそうなった時」を想定すること、
そういう人たちの苦しみや葛藤に触れるいい機会になるのではと思いました。
似たジャンルの本をあげるなら、
凪良ゆうさんの「流浪の月」
朝井リョウさんの「正欲」
この作品が浮かびました。
考えさせられる系のやるせない気持ちになる。
そんな物語だなと思いました。
気になる方は是非読んでみてください。
心に残った言葉
この本を読んで心に残った言葉を残したいと思います。
どうしてだろう。恋とか愛とかやさしさなら、
打算や疑いを含んでいて当然で、
無垢に捧げさえすれば、時に愚かだ幼稚だと批判される。
なのに「信じる」という行為はひたすらに純度を求められる。
一点の傷や汚れも許されないレンズのように澄みきっていなければ、
信じていることにならない。
純白以外の白はすべて黒で、
百かゼロかしか存在しない。
そして一度でも、わずかでも損なわれたら、二度と元には戻らない。
引用文は「恋とか愛とかやさしさなら」より
おわりに
自分だったらどうするだろうか?
こういう考えさせられる系の本は読みごたえありますね。
普段無関係のように見えて、
突然当事者にもなりえるかもしれない。
少し重めな問題ですが、
読んでよかったです。
読んだ方の感想お待ちしております。
以上、一穂ミチさん著「恋とか愛とかやさしさなら」を読んだ感想でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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