本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読書感想レビュー】いつかホームスパンを触ってみたい。伊吹有喜さん著「雲を紡ぐ」を読みました。

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おはようございます。

 

1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。

 

今日ご紹介する本はこちら。

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伊吹有喜さん著「雲を紡ぐ」です!!

 

 

伊吹有喜さんと言えば!!

2021年本屋大賞ノミネート作品でこちらの作品を読んで以来、

気になる作家さんです^^

 

 

www.genko-library.com

 私の中での本屋大賞第一位の作品。

そんな伊吹さんの他の作品に興味を持ち、

今回この「雲を紡ぐ」を読みました。

 

「雲を紡ぐ」の本の説明

 

壊れかけた家族は、もう一度、

ひとつになれるのか?

 

羊毛を手仕事で染め、紡ぎ、織りあげられた

「時を越える布」ホームスパンをめぐる

親子三代の心の糸の物語。

 

女子高生・美緒「お母さんが怖い」

母・真紀「私の娘はオンナを武器にする」

父・広志「この家には俺の居場所がない」

祖父・紘次郎「子供と過ごす時間は案外、短い」

 

美しい盛岡の空のもと、

それぞれの夢や希望を紡ごうとする人々の物語。

 

帯より引用

 

今回の舞台は東京と盛岡。

高校生の美緒は繊細な子。

そんな美緒は学校で友達とうまくいかず、不登校に。

 

一方母親の真紀は中学校の英語の教師。

そんな不登校の娘を何とか行かせようと、躍起になる。

 

真紀自身も、職場の学校のいじめを解決できず、

いやがらせを受けており情緒が不安定。

 

父の広志の会社は買収されるという噂があり、

広志自身の心もざわついていた。

帰ってもホッとできず、毎日1時間近くのカフェで時間を潰す日々。

 

そんなある日、美緒が赤ちゃんの時にプレゼントされたショール。

このショールは盛岡に住む、

今は亡きおばあちゃんが心を込めて織ってくれたショールである。

このショールで身体を包みこむと安心する美緒。

 

いつまでもそんなショールを大切にしている娘に対してイライラしてしまった母は、

娘が部屋を空けた隙に、

ショールを隠してしまう。

 

それを見かねた美緒は捨てられたと思い、憤慨。

家を飛び出し、

盛岡に住むおじいちゃんの元へ家出をし、

物語が始まるのでした。

 

いつも心の隅に描いてた憧れの盛岡の風景。

おじいちゃんの手仕事。

 

おじいちゃんと暮らす日々で、切れた糸を紡ぐように家族の形を取り戻していく。

そんな物語です。

 

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 「雲を紡ぐ」を読んで心に残った言葉

 

P151~

「別にモットーではないのかな。単に美緒の曾お祖父ちゃんの口癖か。

『丁寧な仕事』と『暮らしに役立つモノづくり』。

雲を紡ぐ仕事は継がなかったけど、

その志みたいなものはお父さんは継いだつもりでいる」

 

山崎工藝舎を継がなかった父、広志と美緒の会話です。

広志は家電メーカーで白物家電を作る仕事に携わっているのですが、

仕事を継がなかった分、

曾祖父の教えは引き継いでいたようです。

 

ステキなモットーだなぁと思いました。

 

P230~

「子どもといっしょに暮した日々は案外、短かったな。

お前が上京するまでのたった十八年。

美緒も高校二年生。お前のところも、そろそろ家族時間が終わろうとしている。

親離れ、子離れの時期が来たんだ」

 

 

この言葉で涙が溢れました。

それはかつて18歳で家を出た自分と重ねたり、

子どもが巣立つ18歳を想像したり、

この場面が身に染みるほどよく分かっているからです。

 

「雲を紡ぐ」を読んだ感想

 

今回の読んだ、「雲を紡ぐ」

一つの手仕事の様子を小説を通して疑似体験をすることができました。

 

ふわふわの羊毛はまるで雲のよう。

そこから紡ぎ出されるショールはきっとあったくて優しいんだろうなぁって。

 

家族って、離れたり、また戻ったりの繰り返し。

そして一緒に居られる時間というのは、

本当に短い。

 

自分自身のことをよく分かっていなかった美緒が、

盛岡のおじいちゃんと過ごすうちに、

少女から大人へと成長していく過程がよかったです。

 

かつての自分と重ねてみたり、

子育て中の自分と重ねてみたり、

親のことと重ねてみたり、

 

いろんな人物と心を重ねながら読みました。

 

伊吹有喜さんの作品、好きです。

また他の作品も読んでみたいと思いました。

 

以上、伊吹有喜さん著書「雲を紡ぐ」を読んだ感想でした。

引用文は本書より

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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