本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読書感想】三浦しをんさん著「ののはな通信」紡がれる手紙の数々。一生の恋をした2人をそっと見守りました。

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おはようございます。

 

1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。

 

今日ご紹介する本はこちら。

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三浦しをんさん著「ののはな通信」です!

 

 

 

 

この本の説明

 

ミッション系のお嬢様学校に通う

ののとはなは、気の合う親友同士だ。

 

庶民的な家庭に育ち、

頭脳明晰、クールで辛辣なののと、

 

外交官の家に生まれ、

天真爛漫で甘え上手なはな。

 

自分の気持ちを恋愛感情だと自覚したののは告白する。

 

だが、不器用に始まった2人の恋は、

ある裏切りによって崩れ始めて・・。

 

一緒に一度の運命の恋が、

その後の人生を導いてくれる。

 

書簡の往復だけで緻密に紡ぎ出された大河小説の最高峰。

 

裏表紙より引用

 

 

この本は以前、単行本で発売された時に素敵な装丁に惹かれ、

一度本屋さんで手にとり迷った本でした。

とても分厚くて読むのに躊躇してしまったからです。

 

時は流れて、

ふらっと本屋さんを訪れた時に、

文庫コーナーで一番目が合った本なのでした。

 

本に吸い寄せられるとはこのことだと思いました!

あやこ
 

 

この物語は、

女子校に通う「のの」と「はな」が主人公です。

 

この物語の一番のポイントは、

手紙と、メールのやりとりだけで物語が進むこと。

 

それはまるで、二人の秘密の花園を覗いているような、

秘め事をそっと見ている。

そんな感覚で、一気読みでした。

 

きっと学生時代、

手紙を友達やりとりしていたり、

交換日記をしていた人なら、

凄く懐かしい気持ちになるんじゃないかな?

そんな風に思いました。

 

一方男性が読むと、

どんな印象を持つんだろう。

男性の感想も聞いてみたい内容でした。

 

そして注目は女性同士の恋愛。

私はそういった内容の本を読んだことがなかったので、

ドキドキしながら読みました。

 

そして、恋愛は女も男も関係なく、

きっと人を愛した時は、

こんな感情に行きつくのかもしれないと、

想像しながら読みました。

 

10代後半から始まった、

「のの」と「はな」の手紙とメールのやりとりは、

恐らく40代後半ごろまで続きます。

 

離れた時期もたくさんありました。

けれど、巡り巡って、

行きつく心の拠り所にはいつもお互いであったこと。

 

一生の恋を疑似体験できる。

そんな物語です。

 

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心に残ったこと

 

P293~

あなたは私にとっての「死」だった。

あなたとの出会いは無上の喜びと愛を私にもたらしたけれど、

あなたが過ぎ去ったあとの私は、

情熱も恋情も失せたぬけがらと化したのです。

 

それでも生命活動をつづけることはできる。

あなたを失ってわかったことは、

恋愛方面における情熱や活力がなくても、

実生活にはなにも支障はないという事実です。

 

 

 

 

それに、恋の記憶は残った。

あの高揚と歓喜を一度も味わわずに生を終えるひともいるのだと思えば

(運命の相手なんているはずないと嗤うひとは、真実の恋をまだ一度も味わっていないことを自白しているも同然です)、

 

やはり私は幸運だったと言えるでしょう。

たとえひとときでも愛し愛され、

燦然と輝く思い出を永遠に手に入れることができたのだから。

 

 

この本はラブレターがたくさん綴られています。

こちらも恥ずかしくなるような、

ロマンチックな言葉がたくさん。

 

それは気持ちを文学的に表現しているからこそ、

より美しく、高揚感が伝わってくるからだと思います。

 

実際にこれほどの、お互い知性ある言葉、

情熱的な言葉を毎回やりとりできるというのは稀なことではないかなと思いました。

 

感想

 

女性同士の恋。

秘密の恋。

読んでいてドキドキする本でもありました。

 

けれども、かつて私も友達同士で何度も手紙をやりとりしたこと。

交換日記をしたこと。

大人になってからも手紙を送り合ったこと。

 

大人になってからは好きになった人とメールをやりとりをしたこと。

 

どこを切り取っても「かつの私」と重なる部分がどこかしらありました。

 

「のの」の裏切りには正直ビックリでしたね。

 

お互い、別れて、違う人と人生を歩んでも、

根底にはお互いのことをずっと思い合っていたこと。

 

きっと、世の中にはそういう人達がたくさんいるんだろうなぁと思います。

出会った人、

関わった人、

今は遠く離れているけれど、

やっぱりその人が自分の一部分になって、

 

時は思考として現れたり、

ふとフラッシュバックすることもあります。

 

消えることのない記憶、

この本で言えば、遺跡になり、砂に埋まっていることもあるかもしれない。

 

心の奥に皆何かをしまいながら、

実生活を続けていくのかなと思いました。

 

三浦しをんさんの本は

舟を編む」以来でしたが、

とても楽しく読む事ができました。

 

懐かしい気持ちになりたい人、

恋愛小説を読みたい人におススメです。

 

あやこ
 

2人の行く末を見守ってほしいです

 

以上、三浦しをんさん著「ののはな通信」を読んだ感想でした!

 

読んだ方の感想お待ちしています♪

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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