本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

読んでいて他人事じゃ思えないと思った小説、ママ友子育てのリアルが綴られた小説「不自由な絆」を読みました。

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朝比奈あすかさん著「不自由な絆」のご紹介です。

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読んでいて他人事とは思えなかった

 

小説の内容は子育てやママ友、

いじめ、DVなど読みだしたら止まらない小説でした。

 

なぜなら、今から私も経験するかもしれないリアルな世界だったから。

 

ちょうど話の内容も幼稚園の年長さんの話から始まるのです。

我が家の娘も4月から年長さん。

 

幼稚園生活、ママ友との付き合い、色々と重なる部分がありました。

 

不自由な絆の簡単なあらすじ

 

仕事に生きてきた洋美と専業主婦のリラは、乳児予防接種会場で再会。

同級生だった彼女がまさか自分と同じ時期に同学年の男の子を産むなんて。

 

頼もしいママ友ができたと好ましく思っていたが、

こども同士の諍いをきっかけに悩み苦しみ傷つき葛藤する。

 

不自由な絆を読んでいて息苦しかった箇所

 

やっぱりいじめの内容になると息苦しいなと感じました。

なぜなら、これから子どもたちが大きくなるにつれ心配ごとの一つだからです。

 

加害者にも被害者にもなりうる可能性があるから。

 

私は子ども時代にそのいびつな子どもの世界は体験してきたけれど、

自分が親になってこれから子どもを取り巻く世界がどうあるのかが初めてだから

その部分が気になっています。

 

できれば平和に過ごしてほしい。

何もなければいいのに。

でも何もないは稀なことで、これから先大きくなるに連れて、

親としてどうしたらいいものかと立ち止まる時がきっとくると思うのです。

 

不自由な絆を読んで印象的だった言葉

 

P268~

 

おとなこそ、見て見ぬふりをする。

教室の中にいたことがあるから。

 

やられた側の傷の深さも、逃げ場のなさも、切られるほどの孤独と羞恥も、

痛いほど分かっているから。

 

親でさえ怯えるものだから、こどもが楽なほうへ流れるのは当然だ。

そして生贄のいるクラスで傷つかないこどもはいない。

 

そこに、それがあるというだけで、一様に子どもたちは損なわれている。

 

 引用文は朝比奈あすかさん著書「不自由な絆」光文社より

 

 

なぜ親自身の私が苦しく感じたり、心配するのは、

教室の中にいたことがあるから

 

だからなんです。

 

私自身も小学生の頃、クラスの中でいじめがありました。

私は傍観者でした。

 

どうしてこんなことが起こるんだろうと思う反面、

自分じゃなくてよかったと思う卑怯さもありました。

 

加害者グループに関わりたくない。そんな気持ちでいっぱいでした。

 

今考えればどうして先生に言ったりしなかったんだろうって。

誰一人先生に言わなかったのかな。

 

どうしてあの子を助けられなかったんだろうって。

凄く悲しい気持ちになります。

私は直接何もしていないけれど、

傍観者もいじめと同じと思うのです。

 

きっと辛かっただろうな。

苦しかっただろうな。

今でもあの時のことを当時の彼女のことを思うと胸が痛みます。

小学生はまだまだ未熟だからその痛みも想像する想像力がありません。

 

やっぱりそんな時、その子を一番に助けてくれたのは、親でした。

 

中学生に入り、女子だけ小学校へ呼び出されたのです。

その時、先生からその子の親の気持ちを言われたんです。

 

その時何を言われたのかもううる覚えだけれど、

まだ未熟な私にはとても心に響きました。

自分たちは悪いことをしていたんだ。

凄く凄く思い知らされた瞬間でした。

 

未だにあの時の教室での光景を覚えています。

 

それからいじめはなくなりました。なくなったと思います。

中学、高校とそれからは「いじめ」はなかったと私は認識しています。

 

彼女とも中学二年生から同じクラスになり、

それからずっと仲が良い友達の一人です。

何でも話せる数少ない友人となりました。

とてもいい子でもいじめの対象になってしまうのがいじめです。

悲しいです。

 

特に私が育った島は、狭い世界だから逃げ場がありません。

 

都会のように転校となると、もう島を出ていくしかないのです。

田舎ってある意味過酷な環境なんです。

 

子どもに何かあった時親としてちゃんとできるだろうか。

この本を読んでそんな気持ちになりました。

 

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ミスチルの歌のタガタメの歌詞にもあります。

 

子供らを被害者に 加害者にもせずに

この街で暮らすため まず何をすべきだろう?

でももし被害者に 加害者になったとき

出来ることと言えば

涙を流し 瞼を腫らし

祈るほかにないのか?

 

タダタダダキアッテ(ただただ抱き合って)

カタタタキダキアッテ(肩たたき抱き合って)

テヲトッテダキアッテ(手をとって抱き合って)

 

左の人 右の人

ふとした場所できっと繋がっているから

片一方裁けないよな

僕らは連鎖する生き物だよ

 タガタメより引用

 

親としてできること、地域のおばちゃんとしてできること、

子どもたちの取り巻く世界が少しでも穏やかであってほしい、

ただただそう願わずにはいられないのでした。

 

以前読んだ方の本に書いていました。

いじめをなくす一つの手段は、想像力を持つこと。

 

それに一番効くのは子どものうちに本をたくさん読んで疑似体験をすることだそうです。

 

人の経験することには限りがあるけれど、

本を読めばたくさんの気持を疑似体験できると。

 

それも一つの手段だなぁと思いました。

 

親として何ができるだろうか?

読んでいて他人事とは思えない小説でした。

 

幼稚園生活、既に女子特有の世界が出来上がっており、

母としてはドギマギしちゃいます。(今まで仲良く遊んでいたのに、あの子と遊びたくないと言い出したり。。(;゚Д゚))え!?

 

この点については、ママ友と先日話合い、

最近子ども同士がまた仲良く遊びだしたのでホッとしました。

そのママさんも同じことを感じていたそうで、

モヤモヤしていてお互い話せてよかったと言ってくれました。

私もホッとしました。

 

その点男の子はなんて育てやすいんだ!!

女の子と男の子を育てていて感じているところです。

 

読んでいてちょっと息苦しさもあったけれど、最後は希望の光が見える小説でした。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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