一冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
映画も小説も私の人生に潤いを与えてくれた作品
私がこの作品と出会ったのは20代後半の時でした。
人生うまくいかないなぁと悶々とした時に、たまたまDVDを借りて見たのがこの作品でした。
中学生になって学校に行かなくなった少女「まい」と、
おばあちゃんこと、「西の魔女」との「魔女修行」を通してまいの心がどんどん溶けていく過程と、
おばあちゃんが人生で大切なことを教えてくれる「魔女修行」に心を打たれました。
ラストは涙涙でした。
そして時を経て約10年が経ち、改めて小説で体感してみると、
あの時と変わらず、私の心に身に染みるものとなったのでした。
そこには人間本来の求めている生活であったり、生きていく上で知っておいておいた方がいい、生きる知恵だったり、人生で大切なことがたくさんつまっていました。
映画と同様、ラストは涙涙でした。
小説を読んで泣いたのは久しぶりのことです。
生きることも、死さえも、しっかりと向き合わさせてくれるお話しです。
どんな世代の人にも心に響く内容なんじゃないかなと思います。
「西の魔女が死んだ」を読んで心に残ったことば
P35~
「ふふふ、そうかもしれませんね。
人の運命っていろんな伏線で織りなされていくものなんでしょうね」
この一文にハッとした理由は、人生って全てが繋がっていて何一つ無駄なことはないんだよという提示に感じたからかもしれません。
いいことも、悪いことも含めて、人生はいろんな伏線で織りなされているんだ。
そう感じさせられました。
P70~
いちばん大切なのは、意思の力。自分で決める力、自分で決めたことをやり遂げる力です。
おばあちゃんがまいに一番伝えたかったことはこれでした。
まいの人生。まいが自分でしっかり舵をとれるように、おばあちゃんは一番大切なことを伝え続けました。
まいはどう思う?と随所随所でまいの気持ちを大切にしています。
これは自分自身の人生もそうだし、子どもにも伝えなくてはいけない大事なことだなと思いました。
私もこんなおばあちゃんの元で魔女修行したい。
P73~
「ありがたいことに、生まれつき意思の力が弱くても、少しずつ強くなれますよ。少しずつ、長い時間をかけて、だんだんに強くしていけばね。生まれつき、体力のあまりない人でも、そうやって体力をつけていくようにね。
最初は何も変わらないように思います。そしてだんだんに疑いの心や、怠け心、あきらめ、投げやりな気持ちが出てきます。
それに打ち勝って、ただ黙々と続けるのです。
そうして、もう永久に何も変わらないんじゃないかと思われるころ、ようやく、以前の自分とは違う自分を発見するような出来事が起こるでしょう。
そしてまた、地道な努力を続ける、退屈な日々の連続で、また、ある日突然、今までの自分と更に違う自分を見ることになる、その繰り返しです。」
「ただ、体力をつけたり、他の能力をつけたりするのと違って、意思の力をつけることの難しいのは、それ挑戦するのが意思の力の弱い人の場合が多いので、挫折しやすいということですね」
これはもう、大事すぎて自分の為にブログに残しておきました。
おわりに
きっと人生はずっと修行だと私は思っています。
長く生きていくと、若い頃には分からなかった真理がたくさん見えてきます。
自分の無知さや、経験不足、意思の弱さ、いろんなことを経験しながら、一歩一歩進むことでしょう。
そんな中でも最も大切なことは「何でも自分で決める」ということ。
自分の人生よりよく出来るのは自分しかいないということですね。
あなたも西の魔女から「人生で大切なこと」を教わってみませんか。
読書の秋にぴったりな一冊だと思います。
私の人生の中で大切な1冊となりました。
また節目節目に読み返したい1冊です。
引用文は全て梨木香歩さん著書「西の魔女が死んだ」新潮文庫より
最後まで読んでいただきありがとうございました。