本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読了】出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと

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1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。

 

今日ご紹介する本はこちら。

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花田菜々子さん著

「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」です。

 

ふー、タイトル長すぎですね。笑

 

ツイッターのタイムラインに流れてきて、おもしろそうだったので読んでみました。

 

 

 

 

 

 

この本の中身を簡単に説明

 

タイトルの通り、著者がひょんなことから登録した出会い系サイト。

 

直感で何かがひらめき、著者はこんな文をプロフィール欄に書いていた。

 

「変わった本屋の店長をしています。1万冊を超える膨大な記憶データの中から、今のあなたにぴったりな本を1冊選んでおすすめさせていただきます」

 

こんな文から著者の旅が始まったのだ。

 

実際に会った人達との様子が鮮明に書かれていておもしろい

 

サイトに登録した著書は記念すべき一人目の出会いを果たした。

事細かに当時の様子が綴られている。

 

やっぱりすんなりとはいかない。

1人目の土屋さんという人は身体の関係を匂わす人だった。

 

けれど、著者は華麗にスルーした。

そして著者の初めて知らない人に会ってからの感想はこうだった。

 

知らない人と会うのは、思っていたよりも怖くなかった。

 

それに今までは別居のことや仕事のことで鬱々とした顔をしていた時間が多かった気がするが、

そんな問題とはまったく関係のない土屋さんと会うことで、今の状況に囚われない、明るくて楽しげな自分が久しぶりに立ち現れていたことに自分自身でも少し驚いていた。

 

 

そんな土屋さんに合うだろうと思う本を後日メールで紹介したそうだ。

 

こうして1回目を無事に果たした著者は次々と人に会い本を勧める挑戦をしていく。

いろんな人がいたけれど、まともな人も数多くいた。

 

たくさんの人に会う中で壁にぶつかったりもした。

 

だからこそ、次はどうやってその人に合う本を紹介したらいいのかという軸が著者の中でも出てきた。

 

著者が本を人に勧める過程で得たことは次のことだった。

 

・特定のジャンルに詳しい人にその道の定番本・話題本を紹介しないほうがいい

 

・本をあまり読んでいない人には、有名な本屋名作を紹介してよい

 

・本をよく読んでいる人には、名作・ベストセラーは基本的にNG。

マイナーな本や、聞いたことのない本、その人が読む本から遠いジャンルが喜ばれる

 

 

こんな感じでしっかりと反省を繰り返しながら、本を紹介する人として成長をしていくのだ。

 

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私もおススメの本を聞かれることがある

 

私もインスタで読書垢をやっているので、たまにDMで聞かれることがある。

私の場合は実際に会ってもいないから余計にどんなジャンルを求めているのかも分からないし、プロフィールと投稿内容の直感で答えるくらいしかできない。

いや、実際に会ってもその人の本当の気持ちは分からないから難しいと思う。

 

ただ、言えることは、おススメの本を紹介して、「読みました!!」という報告はほとんどないということだ。

紹介した側の心理としては、その後読んでどうだったかの感想を伝えてくれると嬉しい。

 

つまりは、その人にドンピシャで合う本というのを紹介するのはとても難易度が高い技ということだ。

 

著者は実際に会って、数をこなすうちに、何となく感覚を掴めてきたようだ。

 

著者は実際に現在本屋さんの店長を務めている

 

この本のラストに、今までの経験がしっかりと活かされたんだというちょっと感動の内容が掲載されていた。

 

はるばる遠方からこの本屋さんに訪れたお客さんが涙を流しながら訴えてきたのだ。

そんなお客さんに真摯に向き合って、そっと本を2冊紹介したのだ。

 

 

本を紹介しようとすると、こうして意図せずその人の心の深く――強い感情や大きな事件、または過去のつらい出来事によるトラウマや、ずっと抱え続けている劣等感、人生に強く影響を与えている喪失感など――に触ってしまうことがある。

 

そういうときはなるべく真摯に、フラットに。驚いたり過剰に反応したりすることなく、その人の心をすっと受け止めるように心がけている。

 

 

きっと誰もが生きている中で本にすがりたい瞬間があったり、本によって救われる瞬間がある。

自分では何を読んでいいか分からないけれど、こうやって、そっと寄り添って紹介してくれる本屋さんがあることは素敵だと思った。

 

どんな形からの始まりでも、人と会うことによって、著者自身も磨かれていったからこそ出来る技なんだろうと思った。

 

私もそんな本屋さんに行ってみたい。そんな風に思ったのである。

 

 

おわりに

 

70人に実際に会って、本を勧めるなんて中々できることじゃないですね。

だからこそ、一人一人のエピソードも違っていて、おもしろかったし、

著者自身が成長していく様子がよかったです。

 

ネットでポチッと本を買えてしまう時代だけれど、本が好きで、本のことをよく知っている書店員さんと交流しながら本を買うという経験をあまりしていない私。

そんな本の買い方もいいな。って素直に思えました。

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引用文は全て、花田菜々子さん著書「出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと」河出書房新社より

 

 

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私もおススメの本紹介されてみたいな!

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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