おはようございます!!あやこです(^^♪
一冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
初めて読んだ三島文学に圧巻
こちらの本は先日紹介しました、齋藤孝さん著書「読書する人だけがたどり着ける場所」で紹介されていた本です。
その本の中の「人生を深める名著」として紹介されていました。
1950年の金閣寺放火事件を題材として、三島由紀夫が書いた傑作文学。
主人公は引っ込み思案で吃音があり、コンプレックスを抱えた青年僧。
金閣寺の美に魅せられ、葛藤の末、美への復讐と独占のために火を放つまでの心像を告白の形で描いています。
言葉の問題や美について、アンビバレントな感情などを深く描かれていて、とても面白い。
私は学生たちにこの作品を音読してもらうことがありますが、読み終わった人は「三島由紀夫は天才だ!」と言う人も多いです。
戦争でも焼かれなかった金閣寺が放火で焼けたというとんでもない事件も、この作品によって生きたと思うとさらに面白い。
引用文は齋藤孝さん著書「読書する人だけがたどり着ける場所」SB新書より
三島由紀夫、先日紹介した、太宰治と同じく、名前は聞いたことはあるけれど、作品は読んだことない。
そんな私でして、この度初めて三島作品に触れて、
「なんじゃこの世界は!!!!」それくらい衝撃的な文学でした。
人間失格と同様、ずどんと突き落とされた感じだったんですが、一度読みだしたらはまるはまる。もう抜け出せないそんな小説でした。
ちょっと、みんな、この文学に触れないのもったいないよ。
それくらい高尚な文学でした。
私の今まで読んできた本は何だったんだろう。
そんな風に思えるくらい、衝撃でした。
青年僧はどうしてここまでに美にこだわるのか?
この物語のキーポイントは「美」に対する疎外感です。
青年僧はお父さんに「金閣ほど美しいものは此世にない」と教えられます。
なぜそんな「美」に執着するのか。
それは青年の内なる心の問題からくるのでした。
もう私なら死んでしまいたい。そんなシーンもありました。
それくらい、子どもの時に受けた傷ってずっと消えないし、忘れられないのかなと思います。
だから子育てをする上でも本当にこの今の時期の土台作りって大事だとひしひし感じました。
人間の醜さと美を対比させた心情が表現されていることが多く、
気持ちがまたもや沈みましたが、これぞ誰も教えてはくれない心情の深みだな。
そんなことが伝わってきました。
人間失格と同様に、主人公の苦しみが伝わってくるのでした。
P127~
そもそも存在の不安とは、自分が十分に存在していないという贅沢な不満から生まれるものではないか。
おわりに
普段、ほっこり系の小説が好きで、穏やかな物語ばかり読んでいた私ですが、
ここ数日、名著と言われる文学に触れて、時が熟してその時がきたという実感が強いです。
今までは難しいと思い込んでいて読むことさえもなかった本も、こうやって手にとると人生経験を積んだおかげか理解することが出来るようになってきました。
奇しくも三島由紀夫も太宰治も自ら命を絶ってしまった人たちです。
これほどの苦しみを文学に生み出せるのは、当の本人が苦しんでいた故なのかもしれないと思うと、悲しい気持ちになりました。
生きている間読める本は凄く限られています。
これからはこのような、読んでよかった!!と、心に深みを作ってくれる本に挑戦してみよう。そんな風に新たな好奇心を与えてもらえました。
気持ちは沈むけれど、生きるって色々あるね。そんなことを再確認させてもらいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。