おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
西條奈加さん著「心淋し川」です!!
「心淋し川」の本のあらすじ
芥箱みてえな町ですがね
生き直すには、悪くねえ土地でさ
江戸の片隅、どぶ川沿いで懸命に生きる人々がいた。
その町の名は「心町」(うらまち)と呼ばれている。
心淋し川(うらさびしがわ)が名前の由来のようだ。
そのどぶ川は、
お大名家の庭の水や、生活水が、崖上から流れてできた川だった。
そんな川沿いで生きる人々は様々な事情を抱えて、
この町にやってきた。
ささやかな喜びや、
深い悲しみが胸に染みる、六編の物語。
第164回「直木賞」受賞作品となっています。
今回を機に、「直木賞」作品を読んでみました。
こういうきっかけは、また新たなジャンルへのきっかけとなるので、
楽しいです。
「心淋し川」を読んで心に残った言葉
P38~
「いや、そんなことはないよ。
誰の心にも淀みはある。
事々を流しちまった方がよほど楽なのに、
こんなふうに物寂しく溜め込んじまう。
それが、人ってもんでね」
これはどの物語にも登場する差配(町のお世話役)、
茂十の言葉だ。
茂十にはどうやら抱えている何かがあるらしい。
この心川のように、
誰にでも言えない心の淀みがあることが感じられる一文だった。
人の心はいつだって、澄んだ綺麗な川のようになってはいないのだ。
「心淋し川」を読んだ感想
時代小説、昔の言葉だったり、言い回し、漢字の多さ、
最初は読みづらくて、ページをめくる手がゆるやかだった。
けれども読み進めるうちに、
この町で暮らす人々に感情があっという間に移入した。
舞台が江戸、東京ということもあり、
今現在住んでいる東京と重ねながら読んだ。
昔自転車で訪れた千駄木は確かに、
坂道が多かったなぁ。
千駄木喫茶ギャリコさんという素敵なカフェに行きたくて、
カフェ本片手に、自転車を走らせたのもいい思い出。
10年前に行ったのです。
2019年に閉店されたようです。
あの界隈好きなんです。
またじっくり散歩に行きたい。
そんな場所です。
話を戻して、
江戸の時代の人々の生きざまや、不条理さ、
人との繋がり、温かみが伝わる1冊で、
読み終わる頃には、なんとも言えない温かい気持ちになっていた。
この時代には生きることができなかったけれど、
この時代の断片を心にそっと渡してもらったような。
そんな感覚に陥ることができた。
共通していることは、みんな懸命に生きている。
今回直木賞受賞作ということで、
あまり読んだことのない時代小説を読めて良かった。
確か会見で、審査委員の人が是非、時代小説に触れてみてくださいと言っていたことがなんとなく分かる気がした。
現代には忘れがちの「昔の良さ」だったり、
「風情」や「生きざま」が伺えるからだ。
容易な文学に触れることはたやすいけれど、
あえて昔の時代に思いを馳せる。
新たな言葉を浴びさせてもらえた気分だった。
タイムスリップしたい人におススメの一冊です。
そして文学的にも心に沁みる一冊なのでした。
以上、西條奈加さん著書「心淋し川」を読んだ感想でした。
千駄木でおススメのカフェや雑貨屋さんあったら是非教えてください^^
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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