おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
あらすじ
放課後の用務員室で子供たちに勉強を教えていた大島吾郎は、
ある少女の母・千明に見込まれ、
学習塾を開くことに。
この決断が、何代にもわたる大島家の波乱万丈の人生の幕開けとなる。
二人は結婚し、娘も誕生。
戦後のベビーブームや高度経済成長の時流に乗り、
急速に塾は成長していくが・・。
表紙裏より引用
感想
森絵都さんと言えば、
児童文学で有名な作家さんです。
私も過去に森絵都さんの本を読みましたが、
どの本も児童文学の本でした。
今回初めて、
森絵都さんが描く長編小説を読みました。
この本は2017年、本屋大賞2位の作品です。
読了後、この本が2位とは・・・!!!
一体、この年の1位の作品は何だったのだろうと調べたら!!
蜜蜂と遠雷でした!!!!
納得。
この年のノミネート作品は実力揃いですね。
読んだ本がほとんどでした。
さて、この「みかづき」は、
今では当たり前にある、「塾」を題材とした、
三世代にわたる長編小説です。
600ページ超えの分厚さなんですが、
物語に引き込まれるとあっという間に読んでしまいました。
昭和30年代。
まだ「塾」というものがなかった時代。
世間からも叩かれまくった塾。
学校が太陽とするならば、
塾は月。
公教育の学校は経営競争はありませんが、
塾はそうはいかないです。
時代に応じて、変化をしていかなければいけなかった塾。
競争相手が益々増える中、
生き残りをかけた熾烈な争い。
今の教育はまったく!!!と、
いつの時代も満ち足りない教育の現場。
この本を読むと、
今も昔も、教育に対しての思いは変わらず、
満ちることはないんだなということが分かりました。
P600~
時代はめぐる。
塾を始めた当初には当初の、
今には今の教育をとりまく問題があり、
それに全力でかかずらってきた人々がいる。
塾というビジネス視点て楽しめるのはもちろん、
三世代にわたる人間模様は、
それはそれは色々あるわけで。
そういった人間模様も見どころでした。
勉強や教育は、
実際平等に与えられていない状態ですよね。
各家庭によって、勉強方針も様々。
通塾率は学年が上がるほどに増えていく一方です。
それでも学校では補えない教育を支援したいという志を持って、
取り組んでいる人もいることを忘れてはいけないなと思いました。
児童文学を長きにわたり描き続けてきた、
森絵都さんだからこそ描ける、
教育を題材にした小説。
題名の「みかづき」に込めた思いを知った時、
心が満たされた気持ちに。
読み応え抜群でした。
文学的にも素晴らしい本で読んでよかったです!!
★過去に読んだ森絵都さん作品はこちら★
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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