本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読書感想】乗代雄介さん著「旅する練習」を読みました。「忍耐という言葉を忘れない記憶」ジーコの名言が良い!!

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こんにちは。

 

一冊読み終わったの本の紹介をしたいと思います。

 

今日紹介する本はこちら。

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乗代雄介さん著「旅する練習」です!!

第164回芥川賞候補作となっております。

 

 

 

本の説明

 

緊急事態宣言が発令された春、

中学入学を控えていたサッカー少女亜美は、

小説家の叔父さんと、

鹿島アントラーズの本拠地を目指す旅に出る。

 

去年合宿中に訪れた鹿島の宿で、

人生で初めて亜美は面白い本と出会ってしまい、

こっそりその本を持ち帰ってきてしまったのだ。

普段本を読まない亜美にとってはその本は特別だった。

 

でも、こっそり持ち帰ってきてしまったことに罪悪感を持ち、

叔父さんに告白をする。

 

ひょんなことから、じゃあその本を返却しに行く度に出ようと叔父さんは提案する。

亜美はボールを蹴る。

叔父さん書く。

 

鹿島まで、「歩く、書く、蹴る」それは「練習の旅」

 

亜美は嬉しそうに何度もうなずいて「いいね」と言う。

亜美はボールさえ蹴っていれば機嫌がいいのだ。

 

そんな亜美と叔父さんとの旅が綴られた一冊です。

 

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感想

 

コロナ禍の緊急事態宣言が発令されたあの春のこと。

今でもよく覚えています。

トイレットペーパーがなくなったこと。

 

この旅が始まった時、

亜美はお母さんから、

鹿島について、トイレットペーパーが売っていたら買ってきてと頼まれます。

そんな描写がもはや懐かしさを感じました。

 

亜美と叔父さんの旅の様子はまるで自分も旅をしているかのように、

頭の中に景色が広がります。

 

それは、途中途中で、

叔父さんが見た風景を文章で表現してくれるから。

それはまるで絵を描くように、

文章を通じて細かに表現されていました。

 

文章の芸術を感じ取れる表現がたくさんあり、

難しい漢字や読めない漢字も多く書かれていましたが、

文学的だなぁと感じました。

 

そして、亜美ちゃんの天真爛漫な性格。

オムライスさえ食べていれば機嫌のいい亜美ちゃんは、

叔父さんが風景を記録している時は、

リフティングの練習をしています。

 

そんな旅の途中で出会ったみどりさん。

なんと!!彼女も鹿島を目指して旅をしていたのです。

 

同じ偶然の旅の目的の人に出会えた亜美ちゃんは、

嬉しくてみどりさんと仲良くなるのです。

 

そんなみどりさんから教えてもらう、

ジーコの伝説や自伝。

 

私自身も小学校5年生頃、

ちょうどJリーグ全盛期だった頃をよく覚えていて、

あの頃のサッカーブームを思い出しました。

 

鹿島アントラーズのことをこの本で詳しく知れたのもよかったです。

当時凄い人気でしたよね。

 

そんなジーコの努力や名言を亜美ちゃんと叔父さんは知り、

鹿島に向けてみどりさんも一緒に旅をします。

 

P130~

「人生には絶対に忘れてはならない二つの大切な言葉がある。

それは忍耐と記憶という言葉だ。

忍耐という言葉を忘れない記憶が必要だということさ」

 

ドラクエでいう、仲間が増える感じで、

仲間が増えるとやっぱり旅は楽しいですよね。

 

そして旅というのは、

かつてそこに生きていた人の足跡をたどるようなもの。

そこを歩いた人がいる。

生きた人がいる。

 

今はいないけれど、

誰かが記憶として、石に残したり、

書いているということ。

 

P117~

あらゆるところに人は生きた。

人が消えても、石が、言葉がそれを留める。

 

この本を読みながら、

人の生きた気配を、旅はいろんなところで感じられるんだとも思いました。

 

 

そして最後の一ページで、

号泣でしたね。

まさかまさかの展開に予想していなかっただけにビックリでした。

 

だからこそ、

この旅が宝物の記憶となったこと。

誰かと一緒に旅した記憶の大切さが伝わるのでした。

 

人は忘れる生き物。

だからなるべく記憶しておきたい。

 

けれど、記憶も限りがあります。

 

だからやっぱり記録しておくことも大事。

 

私もこの目でみた風景、

感じた言葉を、

こうやって出来るだけ残しておこう。

 

そんな風に思いました。

 

今年最後に読んだ本がこの本でよかった。

また素敵な本と出会えてよかったです。

 

以上、乗代雄介さん著「旅する練習」を読んだ感想でした。

 

 

芥川賞関連の本はこちら★

 

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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