一冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
森下典子さん著「いとしいたべもの」です。
森下典子さんと言えば昨年話題になった「日日是好日」の著者さんです。
私は映画を観て本を読みました。
この本はそんな森下典子さんの食べものにまつわるエッセイになっています。
この本を読もうと思ったきっかけ
エッセイが読みたいなぁという気分になり、
インスタでパッと目をひくエッセイはないかな？と、
徘徊していた時に出合ったのがこちらの本です。
最初は装丁の絵に惹かれ、次に著者を見るとあの森下典子さんではないですか！！
これは絶対読みたい！と、アンテナがキャッチし、読んでみました。
「いとしいたべもの」の本の内容
森下さんが心の片隅に眠っている懐かしい思い出の記憶が23品紹介されています。
挿絵も全て森下さんが描いているとのこと。
これがなんともおいしそうで、
やさしげな絵で、見ているだけでも心が和む絵だなと思いました。
「いとしいたべもの」の本の中から一品ご紹介
わが人生サッポロ一番みそラーメン
森下さんが小学校六年生の頃だ。
当時インスタトラーメンの新商品が次々に登場し、
テレビのコマーシャルで流れていたそうだ。
期待して食べてみると、どれも決まって脂っぽい匂いがしたそうだ。
ところが、その日のインスタントラーメンは、
なんだか今までのとは違っていた。
それがサッポロ一番みそラーメンだったそうだ。
それからサッポロ一番みそラーメンは、森下家のハウスラーメンになったそうだ。
受験勉強の夜食に、
失恋した夜に、
一人暮らしの初めてのご飯にと45年の思い出があるらしい。
豪華にホタテや豚の角煮を入れた日もあれば、まったく具のない素ラーメン。
たまたま冷蔵庫にレタスしかなく、入れてみたところ、意外においしかったりと、
トッピングの思い出も。
森下さんは
（あの味は、私の人生の一部だから）
そう思っていた。
ところが、そう思っているのは、森下さんだけではないらしい。
サッポロ一番みそラーメンは、
日本で一番売れている、インスタントラーメン界のスタンダードだという。
そんな私もこのサッポロ一番みそラーメンに魅了された一人だ。
多分初めて台所で自分で料理（料理とも言えないが）をしたのがこのサッポロ一番みそラーメンだったと思う。
私の育った島ではラーメン屋さんが一軒しかなく、
高校生になるまでお店のラーメンを食べたことがなかった。
私にとってのラーメンの味はこの「サッポロ一番みそラーメン」だったのだ。
なんておいしい食べものなんだ。当時の私はそう思っていた。
3歳年上の兄はよくインスタントラーメンを食べていた。
成長期、お腹が空くんだろう。
様々なインスタントラーメンを食べていたと思う。
兄は背がぐんぐん伸びた。
インスタントラーメンで大きくなっているんじゃないかと私は思ったくらいだ。
家には常に常備されていたので、お腹が空いた時、自分で作って食べていた。
具は卵だけが多かった。
サッポロ一番みそラーメンと並んで「うまかっちゃん」というラーメンも大好きだった。販売されているのは西日本限定らしい？
きっとみんなインスタントラーメンの思い出は一つ二つとあるはずだ。
チキンラーメンもはまったなぁ。
このサッポロ一番みそラーメン以外にも懐かしい食べものがたくさん登場する。
私は食べものに対する思い出はぼんやりとしかなく、
ここまで鮮明に表現はできない。
おわりに
森下さんの文才にうなりながらも楽しく、心温まるエッセイでした。
食べものの記憶って食べ過ぎると痛い目に合うけれど、
どうしてこんなにも温かい記憶にしてくれるのだろう。
昭和の時代っておいしい食べものがたくさん登場した時代だったんだろうなと思う。
そして、それをみんなで取り囲んで食べる。
今にはない、そんな温かい人との繋がりが感じられた。
久しぶりにサッポロ一番みそラーメンが食べたくなった。
令和の時代も受け継がれていってほしい。
あれ、今日はインスタントラーメンブログになっちゃいました。
しっけいしっけい。
引用文は全て森下典子さん著書「いとしいたべもの」文春文庫より
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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