おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
ソン・ウォンピョンさん著「三十の反撃」です!
本の説明
非正規職の三十歳、キム・ジヘ。
平凡な彼女は、
世の中にも社会にも期待することを諦めていた。
だが、一癖ある同僚との出会いにより社会へ小さな反撃を始める。
次第にジヘは自分らしい生き方を模索するように。
本書は2022年本屋大賞翻訳部門第1位の作品です。
過去に「アーモンド」という作品でも1位を獲得したことがあり、
今回で二度目の受賞となります。
「アーモンド」凄くよく見かけた本ですが、
私は未読なんです。
アーモンドも読まなくては!!
「アーモンド」が人間という存在そのものへの問いかけだとすれば、
「三十の反撃」は、どんな大人になるかという問いへの答えだそうです。
感想
冒頭はジヘが生まれるシーンから始まるのだが、
韓国でよくある名前の「ジヘ」になった話が、
この本をよく表しているかの様だった。
多くの人に紛れる一人の女性。
それは一見平凡に見えるかもしれない。
平凡な人生かもしれない。
けれど、一人一人の人生は平凡のように見えても、
様々な感情の起伏の中で生きており、
決して平坦でも穏やかでもない。
静かな葛藤。
見えない憤りを抱えながら生きている。
ジヘの仕事は毎日毎日講演会の準備の為に大量のコピーをとる。
先が見えない契約社員。
将来のためにと英語の勉強をしてみたり、
変わらない現状に憤りを感じる日々。
正社員になりたい不安。
そんな焦りが伝わってきた。
けれど、一人の同僚の行動によって、
ジヘは少しずつ変化していく。
社会に対して、人に対して、
小さな反撃を行うのだ。
それは、言いたいことを言えずに呑み込んできた我慢を吐き出すことであったり、
あなたの行動は間違っていますよ!!と、ちょっといたずらをしてみたり。
仲間の行動を見たり、一緒に行動することで少しずつ変化が訪れる。
普段言いたい事を言えずに我慢する人達にとっては、
小さな勇気をもらえる本だと思う。
私もジヘと同じ、
おかしいと思うことがあってもグッとこらえてしまうタイプだ。
本屋大賞翻訳部門1位の #三十の反撃#今読んでいる本
— あやこ@読書ノートと手帳時間 (@genko_library) 2022年4月14日
p98〜「うらやましいです、その勇気が。私は絶対そんなことできません。何かが間違っているとは思うんですけど、決して行動にはつながらないんです。できないんじゃなくて、やらないんですよ。やらないからできない」
ジヘと同じだと共感。
行動した先は行動した人にしか分からないし、
後悔するかもしれない。
けれどやっぱり勇気を出して、
少しでも一歩踏み出したらなら、
きっと違う世界が見えてくる。
人生の憤りを感じながらも、
前に進もうとする、前向きさが感じられる本でした。
韓国も日本も同じような感じなんだということが分かりました。
三十歳。
とくに女性は結婚かキャリアかに悩む時期ですよね。
この本は最初「普通の人」というタイトルが候補だったそうです。
韓国で憤りを抱えている、一見普通に見える人達の、心の声が反映されているかのようでした。
他国の文化や現状を知るきっかけにもなる本だったので、
海外文学を普段読まない人にもお勧めの一冊です。
以上、ソン・ウォンピョンさん著「三十の反撃」を読んだ感想でした!
★過去に読んだ韓国文学はこちら★
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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