おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
辻村深月さん著「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」です!!
この本の説明
地元を飛び出した娘みずほ、
残った娘チエミ。
幼馴染の二人の人生はもう交わることなどないと思っていた。
あの事件が起こるまでは。
チエミが母親を殺し、
失踪してから半年。
みずほの脳裏に浮かんだのはチエミと交わした幼い約束。
彼女が逃げ続ける理由が明らかになるとき、
全ての娘は救われる。
感想
冒頭、チエミが大事件を起こし、
家出する様子から描かれる。
そして幼馴染を探すみずほが、
チエミのかつての恩師、友達、
同僚、元恋人に会って、
地元を離れていた間のチエミの様子を聞いていくことで、
物語が進む。
物語が進むにつれ、失踪の真実が明らかに。
そしてタイトルの「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」
真実が明かされた時!!
辻村さん特有の伏線回収のうまさに、
さすがです!!と唸りました。
ミステリー作家というだけあり、
本当にうまい。
しかけもさることながら、
この本の魅力は、
女性の心理描写が手に取るように分かること。
地元を離れたみずほと、
地元に残った女友達との関わりが、
女友達という世界を細やかに伝えてくれる。
たとえば、こんなシーン。
P122~
私たちの集まりでは、
仕事の話といえば、職場環境の不平不満のことだった。
文句を言って、現状を嘆く。
「わかる」というのが、
私がここで覚え、
一番よく使った相槌だ。
わかる、わかる。
あなたもそうなの?頷き合う。
三十歳という年齢は、
あの頃の私たちにとってさえもっと大人だと思えていたのに、
今も私は自分や友達に対して「男の子」「女の子」という言葉を使う。
ほとんど無意識に。
私たちは大人ではなく、かといって子供では許されないのに、
まだどうしようもなく生身で未熟なのだ。
四十代になっても、五十代になっても、
ひょっとしたら一生そうなのかもしれない。
女の世界では、共感することがとても大事だ。
「わかる、わかる。」本当に分からなくても気軽に使う言葉。
狭い世界の中で繋がり合う、女性の立場と、
そんな窮屈な世界から抜け出したくて地元を離れた女性の立場、
違う生き方の視点がどちらも描かれているのが良かった。
30歳前後というのは、周りが結婚して、子供を産んで、
ステージが大きく変わる。
私もかつて感じた、不安や焦りが蘇るようだった。
ミステリー的ドキドキはもちろん、
文学的に、生き方的に、色々と考えさせられるのが、
辻村作品の魅力だなと改めて思うのでした。
ここ最近、いろんなジャンルの作家さんを読んできたけれど、
やっぱり落ち着く先は辻村作品だなぁと改めて思うのでした。
辻村ワールドすごろくコンプリート!
辻村深月さん『かがみの孤城』(ポプラ社)、2018年本屋大賞受賞おめでとうございます!!
— 講談社文庫 (@kodanshabunko) April 20, 2018
辻村作品は各作品の世界観がリンクしているのも魅力のひとつ。画像の「辻村ワールドすごろく」を参考に、登場人物や世界観の繋がりを楽しんでみてはいかかがでしょうか。順番通りでなくても十分楽しめますよ! pic.twitter.com/N4Mjq5qBqN
コツコツと読み進めてきた、辻村ワールドすごろくをついに制覇しました!!
嬉しいです。
達成感です。
どの物語も本当に素敵な作品ばかりで、
思い出深いです。
もはや、その物語は私の心の思い出の一部となっています。
懐かしい人たちが様々な物語に登場する世界感。
本の世界にもう一つの世界があるような。
そんな不思議な気持ちをいつも与えてもらっています。
これほどのめり込める作家さんに出会えたことが一番嬉しい。
私は自身を持って言います。
一番好きな作家さんは誰ですか?
尊敬する作家さんは誰ですか?
そんな質問を受けたら、迷わずこう答えます!
「辻村深月さんです!!」と。
これでおわりではなく、
未読の作品もまだまだあるので、
少しずつコンプリート目指して読みたいと思います。
以上、辻村深月さん著「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ」を読んだ感想でした!
★過去に読んだ辻村深月さん作品はこちら★
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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