おはようございます。
1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
辻村深月さん著「噛みあわない会話と、ある過去について」です!
この本の説明
この本は4編の短編集となっています。
自分にとって美しいと思っていた過去。
その裏側に触れた時、
見え方は全く違った世界に豹変します。
無自覚な自分の心を内側からあぶりだされる、
ゾワッと驚きの展開短編集。
あなたの「過去」は大丈夫ですか?
心に残ったことば
「ナベちゃんは。ずっと誰かの”一番”になりたかったんだよ。
必要とされたかったんだよ。
私たちは誰も彼を、”一番”にしなかったけど、
あの婚約者にとってはナベちゃんが今、
誰よりも大事なんでしょ?
私たちの言葉じゃ届かないよ」
どうしてあの子なんだろ、と無責任に口にするのは簡単だ。
けれど、その問いの答えを、
みんなだってきっと知っているはずなんだ。
このシーンは大学のサークル仲間のナベちゃんが「ちょっとヤバイ子」と婚約してしまったらしい。
何であんな子と婚約しちゃったんだろうと、
仲良しだったサークル仲間内での会話のシーン。
けれど、思い返せば、ナベちゃんはずっと彼女を欲しがっていた。
だけれど、そういう雰囲気にもっていかないようにみんなしていた。
「いい人」なんだけれど、「彼氏」にはしなかった。
なのに、無責任になんであの子?と裏で言う。
その矛盾さに気づいた時の会話のシーン。
あ、これ分かる~って共感でした。
男友達としてはいい人。
でも、恋人にしたいか?と、問われると、「んー」と悩んでしまうあの感覚。
私たちは、無自覚に誰かを傷つけているのかもしれない。
そう思わされたシーンでした。
感想
思い出というのは、自分だけが持ち合わせているのものではなく、
相手あっての思い出。
自分が思い描いていた思い出を同じように、
相手も美しいものだと思いがちだけれど、
実はそうじゃないこともあるということを、
この短編集は教えてくれました。
うわぁ、この展開!!
さすが辻村さんだなぁと思いました。
ある意味ミステリーでもあり、どんでん返し小説でもありました。
朝井リョウさんが書きそうな内容と思いました。笑
こういう視点は普段生活をしていると忘れがちになってしまうのですが、
小説を通して、
自分はお花畑の思い出、自分にいいように解釈した思い出ばかりを持っているのかもしれないなんて思いました。
自分は大丈夫だろうか?
そう思わずにはいられない、
読み応えある、短編集でした。
とても面白かったです!!
以上、辻村深月さん著「噛みあわない会話と、ある過去について」を読んだ感想でした!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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