1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今年101冊目の紹介の本はこちら。
辻村深月さん著「凍りのくじら」です。
かがみの孤城を読んでから辻村さん作品に心酔中
かがみの孤城を読んでからというもの、辻村さんの世界観に惹かれ、
辻村さんの作品を全部読んでみたい!!そんな気持ちが強い今日このごろです。
「凍りのくじら」の簡単なあらすじ
藤子・F・不二雄を「先生」と呼び、その作品を愛する父が失踪して5年、高校生の理帆子は、夏の図書館で「写真を撮らせてほしい」と言う一人の青年に出会う。
戸惑いつつも、他とは違う内面を見せていく理帆子。
そして同じ頃に始まった不思議な警告。
皆が愛する素敵な“道具”が私たちを照らすとき・・・。
「凍りのくじら」の本を読んだ印象
かがみの孤城と同様、この「凍りのくじら」とても分厚い本でした。
文庫本550ページ超えの長編小説となっていますが、
2日で読み終わりました。
またもや辻村さんの作品にのめり込んであっという間に読み終えてしまったのでした。
まず、この物語にはたくさんの「ドラえもん」の話が出てきます。
誰もが知っているあのドラえもんをここまで語る小説も中々ないのでは?と思いました。
子どもの頃から何気に見ていたドラえもん。
視点を変えると、哲学的だし、そんな意図も考えられる。
ドラえもんってそれほど奥が深いのか!!そんな場面も多々ありました。
辻村さん自身も映画ドラえもんの脚本を書いていたりと、ドラえもんに詳しいのかな?そう感じました。
「凍りのくじら」を読んで印象にのこったことば
P294~
「頭がいい人間ってのは孤独だね」
「え?」
「理帆子さんを見ててもわかるけど、人間っていうのは、頭の良さに伴って思考する能力を持てば持つ程、必然的に孤独にならざる得ない。」
いつも八方美人で人に合わせていた理帆子。
気持ちの中ではどこか見下しているというか孤独というか、相手に本音を語らず、一歩距離を置いている部分がありました。
これはある意味「思考する能力」が伴う故の行動だったのかと、客観的に別所という登場人物が教えてくれる場面でした。
この事がなんとなく分かる気がします。
知れば知るほどというか、考えれば考えるほど人は余計な悩みを増やすのでは、そんな風に思いました。
私自身も人と一歩距離を置くことが多いので、なんとなく気持ちが分かる場面でもありました。頭がいいとか云々、何となく色んなことを感じてしまうんです。
おわりに
相変わらず、伏線がちらほらと散りばめられている辻村さん作品。
今回は、この人はあの人に違いない!!と、謎?を解決することができました。
プロローグからもう伏線の始まりですよ。
気が抜けないです。
理帆子自身両親に対して誤解している部分があったけれど、凄い愛情に包まれていたことが分かってよかったです。
自分の親のことって分かっているようで分かっていなくて、
親と自分は全く違うことを考えていたりと。
親子ってこんな部分もあるよね。と、共感できる場面も多かったです。
同年代の辻村さん、彼女の描く作品にいつも感嘆するばかり。
小説を読む度に今まで考えたこともない世界を知ることができて本当に楽しいです。
今年は去年よりも多めに小説を読めて嬉しい!!
引用文は全て、辻村深月さん著書「凍りのくじら」講談社文庫より
★辻村深月さん作品はこちら★
最後まで読んでいただきありがとうございました。