本のある暮らし

人生は一冊の本のように味わい深いです。そんな日々を綴ります。

【読書感想】辻村深月さん著「青空と逃げる」母子でどうして逃げなければいけないのか!?各地で人の優しさに触れるお話しでした。

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おはようございます。

 

1冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。

 

今日ご紹介する本はこちら。

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辻村深月さん著「青空と逃げる」です!!

 

 

 

この本の説明

 

深夜、夫が交通事故に遭った。

病院に駆けつけた早苗と息子の力は、

そこで彼が誰の運転する車に乗っていたかを知る。

 

夫は何も語らぬまま、知らぬ間に退院し失踪。

残された早苗と力に悪意と追及が押し寄せ、

追い詰められた二人は東京を飛び出した。

 

高知、兵庫、大分、仙台。

壊れてしまった家族がたどりつく場所は。

 

中央公論新社より引用

 

物語は、早苗と力の視点で交互に語られます。

夫、そしてお父さんは、

有名な女優さんと事故当時一緒にいました。

二人はダブル不倫をしていたのではないか?

 

マスコミが騒ぎ立てます。

そして、その女優さんが自殺をしてしまったからさぁ大変。

 

そして、夫が失踪し、

火種が早苗と力に飛んできます。

 

数々の誹謗中傷、芸能事務所からの圧力。

怯える二人は、東京を飛び出すしかありませんでした。

 

逃げても逃げても追われる恐怖を抱えながら日本各地を転々とします。

 

夫は見つかるのか?

夫は浮気をしていたのか?

 

青空と逃げた母と子がたどり着いたその先とは。

 

このようなお話しとなっています。

 

 

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心に残ったこと

 

P162~

知らない土地に入って心細くても、

頭上の空は常に早苗が出てきた東京にも、

夏の間を過ごした四万十にもつながっている。

 

同じ色ではないかもしれないけれど、

その空の下で、

早苗と力がお世話になった人たちも、

空を見て暮らしている。

 

この空の下のどこかにも夫は果たしているのだろうか。

あの人にも、

空を見上げる余裕が少しはあるのだろうか。

 

このシーンは、私も経験があります。

それは、地元を離れてから沖縄や東京に住んだ時、

海外を訪れた時、

 

街の風景は違えと、空の景色だけは変わらずそこにあることにほっとしたことを覚えています。

 

そして、早苗が、夫は空を見上げる余裕は少しはあるのだろうか?

そんな風に気にかけている様子から、

夫への恨みの気持ちよりも優しさを感じるのでした。

 

 

感想

 

読み始めから、ミステリー要素が盛り込まれた本書。

どうして夫は失踪したのか?

 

数々の謎が読み進めるうちに明らかになってきます。

 

その一方で、日本各地の土地柄や自然の美しさの描写からは、

私もその土地に一緒に行っているかのようでした。

 

どの土地も訪れたことのない場所だったので、

行ってみたいなぁ。

そんな風に思いました。

 

ミステリーっぽいハラハラさと、

ヒューマン系のぬくもりの融合された一冊だなと思います。

 

 

そしてそして、嬉しいサプライズだったのが、

辻村深月さんお馴染みの、

別の物語の登場人物たちが、出てくるのです。

嬉しい再会でした。

 

「島はぼくらと」に出てくる、ヨシノさん。

そして、

「傲慢と善良」に出てくる、真実。

 

この二人の登場に昔の友達と再会したような懐かしい気持ちになりました。

 

辻村作品の醍醐味は、物語の繋がり感です。

 

作品を通しての嬉しい再会。

 

ちょっとした繋がりとサプライズが用意されているのが、

また魅力なんです。

 

夫よ!!

始めからきちんと真実を語っていれば、

こんなごたごたにならずに済んだのではないか?

そんな風に少し憤りを抱えたものの、

 

何もできないと思っていた母は、力目線では、

母はこんなこともできるのかと知ることができ、

 

また母の早苗視点からは、

力はまだ子どもだと思っていたけれど、

自分でしっかり考えている。

もっと頼っていいんだと思えることができたようで、

 

母と子にとっては、大きな経験や成長を得ることができたようです。

 

もっとお互いを信じ、頼ることが大事なんだな。

そう思わされるお話しでした。

 

以上、辻村深月さん著「青空と逃げる」を読んだ感想でした!

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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