一冊読み終わったので紹介したいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
江國香織さん著書「いくつもの週末」です。
大人のエッセイが読みたくなって
ふと大人のエッセイが読みたいなぁと思って、何となく目を惹いたのがこちらの本でした。
江國香織さんと言えば有名な作家さんですよね。
たくさんの有名作品がある中、短編集などで、ちらっと読んだことはあったものの、
しっかり読んだことが実はありませんでした。
さて、こちらのエッセイですが、江國さんの結婚生活の何気ない場面が綴られています。
人さまの結婚生活を垣間見れるというのは本のいいところ。
こんな夫婦の形もあるんだ。ということを知れます。
江國さんが結婚した時に旦那さんと約束したこと
江國さんは結婚した時に旦那さんと約束をしたことがあります。
P34~
結婚するとき、夫に約束してもらったことが一つある。
これから先、どんなことがあってもよその女にチョコレートをあげない、
という約束だ。
お花や靴や鞄や装身具ならいいけれど、チョコレートだけは駄目。
私はチョコレートが好きで、おいしいチョコレートはいつもらっても嬉しい。
でも、それだけじゃなく、きれいな箱に入ってりぼんをかけられたチョコレートは、それだけでなにか「特別」な感じがする。
幸福の象徴。
愛の贈り物。
江國さんがもっとも好きなチョコレート。
それを他の女にはあげないでほしいというお願い。
なんだかかわいらしいなぁと思ってしまいました。
他人の私からしたら、そんなこと?と思ってしまうけれど、
本人の基準からしたら、それはそんなことではない、大したことなのだと思いました。
結婚とは
「いつも週末だったら、私たちはまちがいなく木端微塵だ。
南の島で木端微塵。ちょっと憧れないこともないけれど」
そんな一文が垣間見れるこのエッセイ。
私もいくつもの週末を過ごして今があります。
もうおしまいだ!!と思う日もあったり、楽しいなと思える日があったり、
結婚って本当に不思議な営みだなと日々思います。
同じものを見ていても、違う景色を見ている二人。
P73~
そんなわけで、私たちはきょうも同じ場所で、全然ちがう景色をみている。
でも、考えてみれば、ちがう景色は素敵だ。
出会ったとき、人はお互いが持っているそのちがう景色に惹かれるのだ。
それまので時間、一人一人が積み上げてきた景色。
育児もそうだけれど、自分以外の他人と家族になって過ごすということは、
本当の意味での忍耐や、譲り合い、自己主張、寛容、協力、許すということ。
いろんなことを試されることだと思います。
1人では味わえないこの不思議な生活。
子ども達が巣立った時、また二人だけの生活が待っています。
どんな生活になるんだろうか。毎日家にいられたら嫌だなぁ。笑
夫はまた以前のように釣りに付き合って欲しいそうです。
そんな体力あるかしらと思いながらも、
一緒にドライブ行くのは相変わらずやっていそうだなと思いました。
今と変わらず、花のある景色を求めて毎年歳を重ねられたいいなと思いました。
江國香織さんのエッセイ、淡々と綴っておりスラスラ読めましたよ。
引用文は全て、江國香織さん著書「いくつもの週末」(集英社文庫)より
最後まで読んでいただきありがとうございました。