一冊読み終わったので感想を綴りたいと思います。
今日ご紹介する本はこちら。
角田光代さん著書「恋するように旅をして」です。
有名過ぎて全く読んでいない角田光代さん作品
角田光代さん、作家さんとしてとても有名なお方ですよね。
名前は頻繁に目にするし聞いたことはあるけれど、
実は作品をあまり読んだことがありませんでした。
読んだことがあるのは短編集くらい。
↓過去にこちらを読みました。
そんな角田さんのエッセイ。
題名に惹かれて読んでみることになりました。
作家さんの描く旅エッセイはやっぱり逸脱しておもしろい
今回初めて角田さんの旅エッセイを読みましたが、
いや~おもしろかった!!率直な感想です。
まず、こんな危険な旅大丈夫??ってくらいハプニングだらけ!!
女性一人旅、異国の地で僧侶に襲われそうになったり、
押し倒されたり、ちょっとちょっと大丈夫!?な展開だらけ(笑)
文章にして、後から振り返ったら冷静に考えられるけれど、
きっとその時はヒヤヒヤものだったはず。
その他にも角田さんがこの世で嫌いな虫の群衆に襲われたり。
想像しただけでも恐怖!!
ビールをしこたま飲んだり。
お酒強いって得ですよね。
お酒があればすぐ現地の人と仲良くなれそう。
地図が読めないのに、当てもなく異国に行き、言葉が通じず困ったり、
途方にくれるくらい長い時間その場にいたりとか、もう、とにかくこんな旅大丈夫!?
だらけでした。
けれども旅をした人にしか分からない旅の醍醐味みたいなものがあって、
角田さんは旅をするほどにその土地や空気に恋をしているんだろうなぁというのが伝わってきました。
そして得たことの一つがこれでした。
P209~
たいした目的なく、地図も持たずに交わす言葉も持たず、町を移動する東洋の旅人はひどく無力である。
その無力さを自覚するとき、私はひとつのことを知る。
世界は私が思っているよりもまともで、秩序だっている。
秩序だたせているものは人々の持っている無自覚の善的なものにほかならない。
そうなんです。
盗まれたり、騙されたりとか、外国には悪いイメージが多いですが、
このエッセイを読む限り、危ないことはもちろん多々あったけれど、
それでも皆善意的ということが凄く伝わってきました。
一生懸命言葉が通じなくても皆親切に助けてくれるのです。
私もそこに居る気分にさせてもらいました。
作家さんの描く旅エッセイは本当に楽しい。
やっぱり作家さんになるだけあって、視点や着眼点、観察のしどころが違うのかなぁと思いました。
私も海外一人旅をした時のことを思い出しました
私が海外で初めて一人旅をしたのは20代後半の頃。
行先は香港とマカオでした。
何となく周りが海外を一人旅している人が多く、
何者でもない自分が小さく見えて、私もやってみよう!!
1人で海外行けたら何かが変わるかもしれない。
そんな気持ちで行きました。
英語もそれほどできないけれど何とかなる。
結構楽観的でした。今考えるとよく行けたなぁと思います。チキンなのに。
私はツアーが嫌いなので、全て自分で計画を立てました。
バスに乗ったり電車に乗ったり、船のチケットをとったり、
現地で何とかできたことにただただビックリでした。
地球の歩き方を元に計画立てましたからね。
両替商の雰囲気とか怖かったなぁ。みんな悪い人に見えた。笑
マカオ行の乗船場で、中国人の女の人に声をかけられたり、(何人?どこから来たの?的なことを)
道に迷って地図を開いていると、
親切に声をかけて教えてくれた人もいたし、逆に現地の人に間違えられて、道を聞かれたり。
旅をすると孤独だから本当に優しくされると嬉しくなります。
やたらホテルが一番落ち着く空間だったなぁー。
これはホテルで撮った一枚。東京に来てから撮った、風景だけのアルバムの表紙にしました。
今海外行くとしたら、もっと田舎ちっくなところがいいな。
香港はギラギラした街で、大都会でした。
アルバムの中身はこんな感じ↓
教会が幻想的でした。
うん、やっぱりこうやってアルバムにしておいてよかった!!!!
何かが変わると思って行った旅行でしたが、特に変わることなく、
1人で行けたという夢心地を得ることが出来ました。
あの時一人で全て見た景色。目を閉じると今でも思い出せます。
私は海外はその他に台湾しか行ったことがないので、まだまだ知らないことだらけ。
いつかあちこち行きたいなぁ。そんな気持ちが強いです。
けれども日本も大好きなので、やっぱり日本もあちこち旅したい。
東京に来て、出会う人出会う人に旅の話を聞くのが好きでした。
話を聞いては妄想旅。お酒を交わしながらその人が歩んだ異国の地の話を聞くのが凄く好きでした。今はそんな機会ほとんどありません。
そして今はこうやって本を読んでまた妄想旅を楽しんでいます。
角田さんもエッセイの中で語っていました。
人の行動力は皆、定量があるのかもしれないって。
角田さんは海外にひょいっと行ってしまうけれど、普段の日常は驚くほど行動出来ないんだとか。
私もそれが何となく分かる気がします。
自分でも驚くような行動をする時もあるけれど、別の場所では驚くほど臆病だったり。
そうやって何事もバランスをとっているのかなぁと思いました。
旅行好きな人におススメのエッセイでした。
こんな世界があるんだと新たな発見になりました。
引用文は全て角田光代さん著書「恋するように旅をして」講談社文庫より
作家さんの描く旅エッセイ、原田マハさんに引き続き角田さんのエッセイも楽しかったです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。